亀老山展望公園【しまなみ海道絶景展望台】

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四国と本州を結ぶルートのひとつ。愛媛県今治市から広島県尾道市を結び、唯一徒歩や自転車でも走行できる「しまなみ海道」。自転車でのサイクリングで最近は賑わうが、車でのドライブルートとしてももってこいだ。しまなみ海道は途中、多くの島を経由するが、その島に降り立ち、気ままに走るのがとても面白い。これだけ車や自転車で気ままに多くの島を巡れるのは、やはりこのしまなみ海道の魅力だろう。

今回紹介するのはしまなみ海道、四国側の最寄りの島である「大島」にある「亀老山展公園」。大島の南部、標高307mの亀老山の山頂にある亀老山展望台からは、来島海峡大橋と、瀬戸内海の島々を手に取るように一望できる。この展望台に自転車で臨むサイクリストも多い。僕も一度トライしたが、これはかなりしんどい。しかし、車があれば気軽に登る事ができる。数あるしまなみ海道の展望スポットでも、群を抜いた人気を誇る場所だ。

有名建築家が設計したスタイリッシュな亀老山展望台

1.5車線の急な道を九十九折に登っていけば亀老山展望公園にたどり着く。駐車場にトイレ、売店まである、島内では人気の観光スポットだ。売店の奥、まるで谷のようなコンクリートに挟まれた狭路を進むと、広いコンクリートの階段の空間に出てくる。ここが亀老山展望台だ。この展望台、環境に配慮して地形の中に埋め込むように作られた。島の平地から亀老山を見上げても、この展望台の姿はほとんど見えないように設計されている。

階段を上りきると、2つある展望台のひとつに出る。こちらは多くの島々が浮かぶ、瀬戸内海の風景を楽しめる。階段からウッドデッキをたどると、メインの展望台にたどり着ける。

展望台から見下ろす瀬戸内海の島々の風景。のどかな島の生活も垣間見られる。

ウッドデッキの通路を進むと、メインの展望台にたどり着く。照明を兼ねたイスがいくつか置かれた展望台のデザインは斬新。目の前には瀬戸内の多島美が広がる。

目の前の陸地は四国。海の前に広がるのは今治市。今はバリィさんやしまなみ海道、今治タオルや焼豚玉子飯などのB級グルメで賑わう町だ。このしまなみ海道ができるまでは、四国と数多くの島を結ぶ航路の基地と造船の町としてにぎわっていた。しまなみ海道ができ、この今治は通過される町となり、一時期はかなり衰退したが、今はとても元気を感じる。大島と今治の間の海は来島海峡。鳴門海峡、関門海峡とならび、日本三大急潮流のひとつに数えられる。まるで川のようになった海を、数多の船が行き来している。

展望台にはよく「恋人の聖地」などで見られる南京錠がぶら下げられている。ここは恋人の聖地ではないが、夜にはライトアップされた来島海峡大橋を行き交う車を眺めながら、潮騒のBGM。それなりに見事なデートスポットではないかとは思う。ただ、真っ暗な夜の山を登っていくのはちょっと勇気がいるだろうが・・・

しまなみ海道を代表する絶景が目の前に!

亀老山展望台から望む来島海峡大橋。全長4105mの巨大な吊り橋は、しまなみ海道の橋では最長のものだ。この来島海峡大橋だけでなく、しまなみ海道に架かる橋はすべて歩行者も自転車も渡ることができる。全長4kmの海の上の橋を自転車や徒歩で渡っていける所も、この来島海峡大橋をおいて、日本には他にはないだろう。しかも高速道路の脇に歩道やサイクリングロードが設けられているというのも、相当に珍しい。

来島海峡大橋は構造的に3つの吊り橋が連続した形になっている。そんな吊り橋の起点になるのが、川の中に頭を出した巨岩のように、瀬戸内海に浮かんでいる島々だ。島には巨大な橋脚が建てられ、吊り橋をしっかりと海の上に渡している。写真は来島海峡に浮かぶ有人島の「馬島」江戸時代、軍馬の放牧に使われていたと言われる島で、現在は人口30人あまり。こんなのどかな島に巨大な橋の橋脚が建てられると決まった時はいろいろあっただろう。しかし、橋に島民専用の出入口が設けられ、向かい岸と陸続きになったことで、この島にも大きな利点がもたらされている。そしてこの橋を自転車や徒歩で渡る人にも利点がある。この馬島への自動車入口は島民でないと使えないが、「エレベーター」なら誰でも使える。自転車や原付をエレベーターに乗せて橋から馬島に下りれば、のどかな瀬戸内海の島を気軽にのんびりと散策できる。エレベーターで行く人口30人の島の島旅、まずありえない。

売店ではアイスが売っている。季節が良い時は、展望台で絶景を眺めながらアイスを楽しみたい。お奨めは『玉藻塩アイス』(300円)。海藻と海水を煮詰めて作った塩を混ぜ込んだジェラード状のアイス。しっかりとした甘さの中に確かに感じる塩味。甘くてしょっぱい不思議な感覚。風景の中を駆け巡る潮風をいっしょに頂いているようなアイスだった。

ダイナミックな風景が楽しめる亀老山展望台

見下ろす来島海峡は、鳴門海峡、関門海峡とならぶ日本三大急潮流ひとつ。潮の満ち引きが始まると、まるで川のように海が流れ始めます。島にぶつかった凄まじい潮流が白波を立て、海全体が流れていることを実感する雄大な風景。雲の隙間から差し込むレンブラント光線で巨大な白波が照らされ、来島海峡の大迫力の潮流の存在をスポットライトを照らすように引き立てています。

海の向こうには四国の山々の姿。西日本最高峰の石鎚山(1982m)が雲の上にその頂を突き出しています。風光明媚な瀬戸内海から一気に2000m近い高山まで立ち上がる風景をは、瀬戸内海のあまり知られていない姿の一面です。

真っ青な色の中、海と空の境界線が曖昧になった世界。どこまでが海で、どこからか空かわからない中をゆっくりと進む船。そしてまるで空に浮かぶように点在する島。島と船は瀬戸内海を代表する風景のファクターですが、これに迫力ある四国山地を取り込んだ亀老山展望公園からの風景は瀬戸内海のそれとは思えないダイナミックなものになります。

しまなみ海道・大島の宿泊情報

しまなみ海道の四国側の最後の島「大島」には、美味しい魚をたっぷりと食べさせてくれる料理旅館・料理民宿があります。どこの宿もその料理のおいしさにはハズレなし!のんびりとした島の時間を美味しい魚を堪能しながら味わうのはいかがでしょうか。

【じゃらん】しまなみ海道の宿一覧

亀老山展望公園

場所:愛媛県今治市大島
電話 : 0897-84-2111
休日 : 無休
交通:西瀬戸自動車道、大島南ICより約10分
駐車場:約30台(無料)
入場料 : 無料
付帯施設:売店、トイレ

【投稿時最終訪問日 2015年7月】

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