御岳渓谷遊歩道【東京の紅葉の名所】

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東京の紅葉の名所のひとつである「御岳渓谷」
紅葉の見ごろは11月上旬~11月中旬。JR青梅線軍畑駅から川井駅まで、多摩川が削り出した御岳渓谷沿いを歩ける御岳渓谷遊歩道が続いています。遊歩道の途中には何ヵ所も息をのむような美しい紅葉があり、渓谷に響く川の流れを聞きながら深まる秋を感じるハイキングが楽しめます。

JR青梅線軍畑駅から御岳渓谷ハイキングスタート

御岳渓谷散策のスタート地点におすすめは、JR青梅線の軍畑(いくさばたけ)駅です。小さな無人駅ですが、紅葉の季節には多くのハイカーが訪れて賑わいを見せます。

軍畑駅からは細い道を下って国道411号線、青梅街道を目指します。東京都内とは思えない、山村ののんびりとした雰囲気の中をハイキング開始です。

青梅街道に出て、上流方面に400mほど歩いたところに御岳渓谷遊歩道入口があります。ここから約4km、JR川井駅まで多摩川沿いに紅葉や渓谷美を眺めながらのハイキングが楽しめます。国道が遊歩道に並行しているので、体調や天候が悪くなってもすぐにハイキングを切り上げたりでき、遊歩道沿いに駅も複数あるので、コースバリエーションも豊富です。

多摩川の渓流沿いに遊歩道が続いています。歩きはじめたばかりはまだ紅葉の濃度はまだ薄いですが、付近に響く川の音と心地よい空気を楽しみながら、気持ち良く歩くことができます。

澤乃井園で紅葉の御岳渓谷と美味しいお酒を満喫

歩いていくと、少しずつ付近の紅葉が色濃くなっていきます。まだ歩き初めて1km少しのところですが、ここで途中で絶対に立ち寄りたいスポットが「澤乃井園」です。酒蔵見学や料亭やレストランがありますが、ハイキング途中に大休止できる園内の清流ガーデンがオススメ。
紅葉が美しい日本庭園で、売店で購入したこだわりの美味しいものを酒蔵が直売する美味しい日本酒と一緒に頂ける日本の美を感じる場所です。渓流の音と寺の鐘を聞きながらの一杯は、日本人の心を呼び覚ましてくれるかのようです。紅葉の時期の昼時は大混雑するので、できれば朝早めにハイキングを開始し、オープンと同時に一杯できるようなスケジュールを組みたいですね。

澤乃井園で美味しいお酒を頂きながら紅葉を楽しんだら、深まる秋の中を再びハイキングに出発します。渓谷を流れる涼しい風と川のさわやかな香りがほろ酔い気分を醒ましてくれる気持ちよさです。

澤乃井園からしばらくは、民家の裏を通るような狭い道を歩きます。まるで田舎を散策しているような、都内とは思えないどこか懐かしく思えるような風景です。

集落を出ると遊歩道は再び自然の色味が濃くなっていきます。

真っ赤なモミジが美しい鵜の瀬

鵜の瀬と呼ばれる場所にさしかかると、そこは御岳渓谷でも1,2を争う紅葉の美しさ。秋の太陽に川面が輝き、モミジは燃えるようにその赤色を光らせています。ここでは腰を下ろして美しい紅葉を眺めるハイカーも多くいます。

多摩川にかかる鵜の瀬橋は、この付近随一の紅葉の絶好の展望台。渓谷美と紅葉美をその橋の上から存分に眺めることができます。

鵜の瀬橋付近には多機能トイレがあります。遊歩道の途中にあるトイレとしては立派なものなので、澤乃井園で美味しいお酒を飲んでも、コースの途中にトイレがあるので安心です。

鵜の瀬橋付近には趣のある東屋もあります。ここでは多摩川のほとりで紅葉を愛でながらひと休憩ができる人気のポイント。もし誰もいなければ、ぜひ腰を下ろして、秋の渓谷美の中でゆっくりとくつろぎたい場所です。

「お山の杉の子」の作曲記念碑が近くにあります。戦時の戦意高揚のための童謡で、戦後は歌詞を変えて復興の歌として再び歌われたそうです。

所々、遊歩道から河原に出られるところもあります。河原ではゆっくりくつろいだり、巨岩の下に大きなマットを敷いてフリークライミングの練習をする人も見られます。

御岳渓谷の紅葉の見所御岳小橋で秋を満喫

御岳小橋展望休憩所に到着します。この付近は紅葉が今までで最も綺麗なエリア。渓谷から出ると、JR青梅線の御嶽駅も近く、広い河原が公園のようになっているので、紅葉をゆっくり楽しむにはもってこいの場所です。
ここには多摩川にかかる御岳小橋という吊り橋がありますが、下流にある武蔵小杉のタワーマンションを水没させたことでも記憶に新しい2019年の大雨で残念ながら流失しました。

御岳小橋付近は御岳渓谷遊歩道のちょうど中間点にあたる場所で、最も紅葉が見事。御岳渓谷のイメージ写真ではこの付近がよく使われる、まさにメインスポットです。

見上げると一面の真っ赤な紅葉と青い空。いつまでも居たくなりそうな至極の美しさです。
この付近でお弁当を広げて紅葉を楽しむハイカーも多く、河原に出てガスストーブなどで美味しそうな料理をつくる人も。アウトドア派の人も存分に楽しめるスポットです。

広い河原に出ると、御岳渓谷の美しさをさらに身近に感じられます。流れの中にある岩に乗れば、多摩川の流れに手を浸すことも。流れが緩やかな時なら水遊びもできるでしょう。
この付近ではカヤックやラフティングで川を下る人も多い、まさにアウトドアスポット。この日はなかり増水しているので、川で遊ぶ人はいませんでした。

御岳渓谷に架かる御岳橋。深い渓谷を跨ぐようにかかるダイナミックな橋は、御岳渓谷のシンボル的な存在です。

御岳小橋展望所付近から渓谷の上に戻る階段があります。登ったところすぐにJR青梅線の御嶽駅があります。駅前には飲食店や売店がありますので、食事や買い物をするにも便利です。

階段からは紅葉と深い山々に囲まれた御岳渓谷を見下ろすことができます。付近にはかつて旅館だった建物が何軒も残っており、昭和時代のノスタルジーを感じることができます。現在は旅館として営業しておませんが、料亭や飲食店、ギャラリーなどになっています。

御岳橋から見下ろす御岳渓谷の絶景

階段を登ると青梅街道に出ます。時間があれば、御岳渓谷にかかる御岳橋を是非歩いて渡りましょう。標高929mの御岳へ登山に向かう御岳橋の上は御岳渓谷の絶好の展望台。高度感は半端ありません。歩道もあるので、橋の途中から御岳渓谷の絶景を一望できます。

御岳橋から御岳渓谷の下流を眺めます。川がカーブしている付近が先ほどまでいた河原です。

道路を渡って、今度は御岳橋から多摩川上流方面を望みます。多摩川は東京の秘境、奥多摩から流れてきています。この先に進めば進むほど、多摩川は深く手つかずの自然の中に入っていきます。

御岳橋を渡ると再び階段で御岳渓谷に下りていくことができます。

大イチョウの下や御岳橋の下で楽しむ多摩川

御岳橋対岸の階段を下りると玉堂美術館があります。その前にある大イチョウは見事な黄葉。大イチョウの下にはベンチもあり、金色の光を浴びながら、紅葉に彩られた御岳渓谷を眺めてゆっくりできるスポットです。

玉堂美術館の前から望む御岳渓谷。対岸からはまた違った渓谷の美しさを眺めることができます。

御岳橋付近には、渓谷に張り付くように建物が並んでいます。青梅街道から見ると、歴史を感じる少しひなびた2階建ての建物。しかし渓谷から見ると中層階の建物に見え、渓谷美と相まって独特な風景を織り成しています。

河原を歩いて先ほど渡った御岳橋の下へ行くことができます。真下から見上げる御岳橋は大迫力です。

御岳橋付近の河原では、バーナーでアウトドアクッキングをしたり、フリークライミングの練習をする人も。周辺にはカヌーやラフティングのツアーもあり、川遊びをする人も多いアウトドアスポットです。増水していたこの日は川で遊ぶ人はいませんでしたが、川の流れが穏やかな日には、川に足をつけて水遊びができそうです。

多摩川は都内でも最も秘境とされる奥多摩から流れてきています。せっかくここまできたので、JR御嶽駅から奥多摩駅まで移動して、さらに自然が色濃く残る奥多摩の多摩川沿いを散策するのもよいでしょう。御岳渓谷遊歩道はこの先約2km、JR川井駅まで多摩川沿いに続いています。引き続き多摩川沿いの紅葉ハイキングを楽しむのもよいでしょう。いずれにしても、秋を感じる大自然の風景をのんびりと楽しみたくなる、そんな風景が紅葉の御岳渓谷にはありました。

御岳渓谷遊歩道

アクセス:JR青梅線・軍畑駅下車
距離:約4km
紅葉の時期:11月中旬

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