くじらの博物館【クジラやイルカと遊べる水族館】

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捕鯨の町として有名な和歌山県太地町。今でも小規模ながら捕鯨が続いている町です。
そんな太地町の目玉の観光スポットが「くじらの博物館」。その名の通り、クジラや捕鯨に関しての博物館はもちろん、たくさんのクジラやイルカとふれ合える、太地しかありえないとてもレアな水族館でもあります。太地町の沿岸捕鯨で捕獲されたクジラやイルカが、この博物館で飼育されているのです。

滅多に見られないクジラのショーは大迫力!

巨大なクジラの絵が描かれた「くじらの博物館」。何度もこの前を通っていましたが、今回初めて入場です。南紀に住んでいたのは独身時代。全く興味がなかったこの場所に、様々な出来事があり、子どもができてからはじめて訪れることになった。思う所は色々とあるが、日本でも稀有な水族館をたっぷりと楽しむことに専念しよう。

イルカショーは水族館の鉄板ですが、くじらの博物館では当然クジラのショーがあります。まずは自然プールへ。ここは自然の入江を仕切って作られた幅50m長さ210mの広大で天然のプール。その中でクジラやイルカが気持ち良く泳いでいます。手前には巨大なくじらの骨格標本がオブジェののように展示されています。

ショーが始まると同時に、クジラがインストラクターのお姉さんを乗せて登場です。イルカならよくある風景ですが、クジラはイルカよりも当然体が大きいので抜群の安定感で長い距離をライドしています。

くじらの博物館にいるのは小型のゴンドウクジラですが、巨体が海面から飛び上がる様子は大迫力。着水時はバッシヤーンと大きな波しぶきが立ち上がります。その迫力はイルカショーをはるかに上回ります。

イルカだけだなくクジラにも餌付!

自然プール奥にはイルカやクジラが何頭も泳いでいます。そんなクジラが泳ぐ天然プールをシーカヤックできるプログラムも。あり得ない体験ができるのです。ただし、レクチャーなしで、カヤックを漕げる大人が一人は乗船することが求められます。
コビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウといったクジラたちが泳いでいます。

自然プールにつくられた大きな生け簀の中に鯨やイルカがいっぱい泳いでいます。この生け簀にはバケツ1杯300円で餌を買うと、餌やりで立ち入ることができます。

生け簀に人間が来ると、イルカやクジラが向こうからやって来ます。数百円で気軽にイルカに餌やりをできるのはなかなかありません。しかもクジラに餌やりをできるなんて、日本でもここくらいです。あまりにもクジラやイルカに近づけるので、子供たちはややおっかなびっくりです。

小さいとはいえクジラ。クジラをこんなに間近で見られるのは、ここくじらの博物館以外無いのではないでしょうか。顔は確かにクジラです。口の中まで間近で観察できます。

イルカも間近で見ることができます。日本中にイルカを見れる施設はいっぱいありますが、こんなにも近くで直接見れるなんてなかなかありません。しかもインストラクターが横におらず、イルカと人間、鯨とのマンツーマンです。そして、とにかくイルカの数も多いのです。

中には珍しい白色のハナゴンドウも泳いでいます。まさに白鯨ですが、なんとなく牛さんのようにも見えてしまいます。

生け簀にいるイルカたちはとても仲が良い様子で、じゃれあうように泳いでは、 餌を催促してきます。

イルカとゴンドウクジラが並んでやって来ました。クジラとイルカの厳密な違いはなく、体の大きさの違いだそうですが、こうやって並ぶとその体の大きさの違いがよくわかります。

クジラとイルカが並んでおねだり。・・・究極の萌えです。
ふれ合いの浜では海に入ってイルカのタッチや、事前準備と人数制限がありますがイルカにつかまって泳ぐことも可能。日本で最も気軽にドルフィンスイムができてしまう場所ではないでしょうか。

天然プールと海を隔てる場所には巨大な洞門があります。これだけの大自然の造形物が園内にある水族館も珍しいでしょう。洞門をくぐるには遊歩道があり、海沿いを散策ができるようになっています。

海洋水族館でたくさんのイルカがお出迎え

海洋水族館は主な展示がイルカという、日本でも珍しい施設。水族館によくある水中トンネルですが、魚ではなくたくさんのイルカたちが泳ぎ回ります。
イルカの他にも、太地周辺で採捕された魚類や甲殻類、クラゲなどを見ることができます。

宙を舞うように、付近をたくさんのイルカ達が遊ぶように楽しく泳ぎまわっています。イルカの群れに囲まれる水中は、とても神秘的な風景です。

ガラス窓からプールの中を見ることができます。とにかく驚きなのがそのイルカの数!水族館には通常数頭しかいないイルカが、ここではプールに海にあちらこちらにいっぱい泳いでいるのです。

一味違うとっても身近なイルカショー

屋外のプールでは、イルカのショーも行われています。元気いっぱいのイルカのハイジャンプはやっぱり見応えがあります。

普通の水族館のショーと違うのは、ショーの後、ひとり300円で有料ですがイルカと記念撮影ができるのです。安いし基本人数制限がありません。気軽にステージ上でイルカにタッチしながら、はいチーズ。良い思いでになります。

クジラと捕鯨を知る博物館本館

クジラやイルカを楽しんだ後は、クジラの生態や捕鯨の歴史を学べる博物館本館へ。
入館してすぐの大ホールには、セミクジラやシャチなどの実物全身骨格標本が展示されています。その骨格の大きさには驚き。まるで恐竜のようなスケールです。

大ホールの吹き抜けに泳ぐように吊り下がっているセミクジラ実物大模型。その横に並ぶ古式捕鯨を再現した人間が乗る船と比べると、さらにその大きさがよくわかります。展示を巡りながら階を上り下りしても、吹き抜けからその巨大な姿を違う角度から眺めることができます。

江戸時代の鯨漁の様子もジオラマで展示されています。古式捕鯨は江戸時代から明治時代に300年に渡って続けられた伝統的な漁法です。

3階には、人とクジラの関係の歴史に関する様々な資料を展示されています。太地は400年以上にわたってクジラやイルカと深く関わってきた町。太地の近くにかつて3年ほど住んだことがあるのですが、当時は普通にスーパーにイルカ肉が売っていて驚いたものです。さすがに食べることはなかったのですが・・・
そういった意味では太地の存在はそんなに特別に感じてはいなかったのですが、世界中から痛い視線が、大阪からも3時間以上離れたこんな田舎町に降り注ぐなんて思いもしませんでした。

かつて実際に使用されていた捕鯨銃砲類も多数展示されています。これらは和歌山県指定文化財に登録されています。商業捕鯨で使っていた、鯨を捕まえるための銃。中にはイルカ捕獲用の銃も。う~ん、これで撃たれると、かなり痛そう・・・

くじらの博物館の駐車場に隣接する場所に、海からあげられた船が展示されています。これは実際に捕鯨を行っていた「第一京丸」です。1971年に建造され、商業捕鯨と調査捕鯨を行っていました。巨大なクジラを捕獲するだけあって、漁船としてはかなり大型で、まるで短距離用のフェリーです。
国際的に色々な問題に巻き込まれている太地とくじらの博物館ですが、癒されることは間違いない場所です。この近くに住んで僕がわかっていることは、太地は普通の町で、普通の人がいて、何ら変わらない普通の暮らしがあるということ。ただ、昔からの産業が世界的な問題に巻き込まれてしまったということだけです。
日本の水族館ではまずできない、クジラやたくさんすぎるイルカとのふれ合い。存分に満喫したいスポットです。

くじらの博物館隣接の温泉宿

太地町立くじらの博物館

住所: 和歌山県東牟婁郡太地町太地2934-2
電話: 0735-59-2400
営業時間: 8:30~17:00
休業日: 年中無休
交通: 紀勢自動車道すさみ南ICより車で約1時間
   熊野尾鷲道路熊野大泊ICより車で約1時間
料金: 大人1500円、小・中学生800円、幼児無料
駐車場: 約150台(無料)

【投稿時最終訪問 2016年7月】

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