文化交流ヴィラ高橋邸【愛媛県内子町】

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毎年春になると訪れる愛媛県の内子町。明治、大正時代の美しい街並みが残るこの町の春は日本の美があふれている。桜と旧暦で祝うひな祭り。日本の春を凝縮した風景を楽しめる春の内子の散策は毎年でも訪れたくなる。
散策の途中、お雛さまがいっぱい飾られている場所があるので寄ってみてくださいと、地元の人に情報をもらい、向かったのが「高橋邸」だ。

無料で開放されている日本のビール王の生家

高橋邸は、江戸時代に建てられた歴史ある邸宅。立派な門構え、母屋と離れがあり、美しい日本庭園。古い街並みが続く内子の中でもひときわ歴史を感じさせてくれる屋敷だ。 「止談風月無用者可入」(ただ風月を談じるなら、用事がなくても屋敷に入りなさい)という墨書の看板が掲げられており、日本の美を求める人々を広く招き入れている。

高橋邸の玄関。立派な畳敷きになっている。呼び鈴が置いているが誰もいない。勝手に上がっていいものだろうかと思っていると、愛想のよいおばちゃんが出てきて、どうぞどうぞと招き入れてくれる。

玄関すぐ横には立派な応接室。この部屋は、この屋敷で生まれ育った高橋龍太郎氏の足跡が残されている。
高橋龍太郎氏は、大阪麦酒(アサヒビールの前身)の社長。プロ野球の高橋ユニオンズのオーナーや、第3代日本サッカー協会会長を務めた。また、通産大臣に就任するなど、実業家・政治家として活躍した、日本のビール王と呼ばれる人物。
そんな多才な人物が厳しい父の教育を受け成長したこの家は、遺族の好意で内子町に寄贈されている。 ビール好き、野球好きの方にはぜひ立ち寄っていただきたい場所である。

節分後から桜の時期には歴史あるお雛様がずらり!

広い和室にいくつものひな壇がずらりと並ぶ。美しい日本の美を感じさせてくれる、美しい風景。

明治時代のひな人形など、とても歴史があるお雛様が飾られている。表情も豊かで、お道具なども年季が入りながらも美しく、しっかり手入れさているのがわかる。脈々と引き継がれる文化と歴史が、この場所には息づいているのがひしひしと感じられた。

日本家屋での宿泊やカフェでも満喫できる高橋邸

広縁にはテーブルと座布団が置かれている。テーブルの上にはメニュー表が置かれていて、コーヒーや抹茶、ケーキセットなど、喫茶も楽しめるようになっている。

座布団の上に腰をおろし、庭の風景を眺める。美しく、よく手入れされた日本庭園。その向こうには美しくも歴史を感じられる内子の街並み。そして、さらにその向こうには緑豊かな山々。
まるでおばあちゃんの家に遊びに来たかのような感じ。とても落ち着ける場所。商売気がなく、どうぞご自由にゆっくりしていってください。そんな感じで解放されているので、本当に田舎に遊びに来たような気持ちにさせてくれる。
出来ればずっとゆっくり長居をしたいくらいの心地よさがある。ここで布団をひいて、そのまま寝てしまいたいくらい・・・しかし、そんな帰郷の願望をかなえてくれるのもこの高橋邸。
母屋ではなく離れになるが、宿泊する事ができる。夕食はつかないが、1人から10人まで、離れを1棟借りして宿泊できる。このゆっくりと流れる時間の中、歴史ある懐かしくも感じる場所で泊まれるのは、良い経験だろう。以前僕の知人の女性が、ひとりでここに泊まったそうだが、とても良かったそうだ。
夏休み、娘を連れてここで泊まるのも面白そうだ。まるで田舎に帰ってきたような、日本のふるさとを感じられる滞在も素敵だ。

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文化交流ヴィラ 高橋邸

場所: 愛媛県喜多郡内子町内子2403-1
電話: 0893-44-2354
交通: JR内子駅から徒歩15分
   松山自動車道・内子五十崎ICより車で5分
料金: 見学無料
   宿泊 大人4,200円~ 1日1組10名まで
駐車場: 10台 (無料)
     
【投稿時最終訪問 2012年3月】

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