道の駅鷲の里と大龍寺ロープウェイ
四国八十八か所21番霊場である徳島県の「太龍寺」(たいりゅうじ)は、標高500mの高さにある山寺。驚きの標高ですが、霊場の中では6番目の標高と聞くと、いかに遍路道が険しいかと感じてしまいます。そんな遍路ころがしと言われる難所の太龍寺に気軽に参拝しつつ見事な空中散策が楽しめるのが「太龍寺ロープウェイ」です。しかもロープウェイ乗り場は道の駅となっており、ほとりを流れる那賀川やそ広い河川敷公園でゆっくりと自然を満喫できるスポットでもあります。
道の駅鷲の里
道の駅「鷲の里」は、標高505mの山中にある四国霊場二十一番札所、大龍寺に登る大龍寺ロープウェイの乗り場を中心とした道の駅です。幹線道路からは離れており、大龍寺の参拝者が訪れるだけのような場所なので、広い敷地にも関わらずとても空いています。残念ながら道の駅の中に売店・レストランなどの観光・休憩ができる施設は少ないですが、那珂川の河川敷に広場があり、自然に親しみながらゆっくりとできます。また道の駅の中には遍路宿である「そわか」があります。リーズナブルに宿泊できる、ドミトリー(相部屋)もある旅館なので、お遍路さんはもちろん、バイクツーリングなどでの旅にはもってこいです。
道の駅鷲の里には山上の太龍寺に向かう「太龍寺ロープウェイ」の乗り場が物産観光センターの中にあります。その全長2,775メートルは西日本最長を誇ります。あまりメジャーではないロープウェイですがその規模はなかなかのもの。お遍路さんが途切れることなく訪れる八十八か所の参拝施設なので運航が成り立っているようにも思えます。
まるでお寺のような観光物産センター。コイが泳ぐ池を朱色の開運橋を渡って中に入ると、土産店と食事処があります。物産品をはじめお遍路グッズの販売もあります。
物産観光センターは奥に長く続くつくりで、館内には展示ホール、土産店、飲食店と並んでおり、その奥にロープウェイ乗り場があります。
物産観光センター中央の吹き抜けホールは「丹生谷紹介コーナー」となっており、夫婦鷲の木彫りや 生息する野生動物のはく製の展示など、太龍寺や付近の自然を紹介しています。
大龍寺をテーマにしたトリックアートもあります。ここで写真を撮ればフォトジェニックな1枚に仕上がります。
太龍寺ロープウェイと那賀川
道の駅の横を流れる那賀川。ラフティングやカヌー体験もできる川で、広い河原では上空を渡っていくロープウェイを見ながらのんびりとできるアウトドアスポットでもあります。
那賀川沿いに道の駅を散策すると、ロープウェイの発着を真正面かつ間近で見るスポットがあります。さすがにこの先は立ち入り禁止になっていますが、この角度からロープウェイを見ることが出来る場所はなかなかありません。
目の前すぐの場所から101人乗車可能な大型ロープウェイが発進します。思った以上の速度と角度で飛び出すロープウェイは大迫力です。
一気に頭上へと浮かび上がるように上昇していくゴンドラ。その床には窓があり、はるか下の景色を足元に見ることができるそうです。
太龍寺ロープウェイは全長2,775メートルを所要時間わずか10分で進みます。ロープウェイの頂上駅がある太龍寺は、標高600mの太龍寺山の稜線を超えた標高500m付近にあります。ロープウェイは那賀川を乗り越え、山の稜線まで登って乗り越えると、少し下っていくようになっいます。山と川を超える珍しいルートで、その足元に広がるバリエーション豊かな風景は見ごたえがとてもあり、遠くに目をやるとの剣山や紀伊水道をも見渡せる空の散策が楽しめます。
道の駅のある河原には、広い芝生広場と遊具広場があります。小さな子連れで遊ぶにはもってこいの場所。ドライブの途中に立ち寄ったり、ここでのんびりと家族でピクニックをして過ごすにもよさそうな場所でした。
■太龍寺近くの温泉宿
太龍寺ロープウェイ
住所: 那賀郡那賀町和食郷字田野89
電話: 0884-62-3109
料金:往復2600円、片道1300円
期間: 通年
休み: 無休
時間: 8:00~16:40
運行: 20分間隔
施設: 売店・喫茶・旅館・展示コーナー
交通: 徳島自動車道・徳島ICより約1時間
駐車場: 150台(無料)
【投稿時最終訪問 2020年4月】