中山峠【小笠原の青い海の絶景展望スポット】

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小笠原・小港海岸で参加しているカヤックツアー。波が高く、結局海にシーカヤックをこぎ出せそうにないので、お昼の時間、参加者は思い思いの時間を過ごしている。
僕たちは、ツアーを引率するスタッフさんに勧められて、小港海岸を見下ろす「中山峠」へのプチトレッキングに向かうことにした。トレッキングとはいえ、水着にスポーツサンダル、防水ケースに財布とペットボトル1本に首からカメラぶら下げて行くお気軽なものだ。

小港海岸の青い海から緑の山を目指して出発!

ここが中山峠へ向かうルートの出発点。この橋の右側の河原が、シーカヤックの出発地点にもなっている。
このトレッキングルートはジニービーチとジョンビーチという、小笠原でも1,2の美しさとロケーションを誇るビーチに向かう道だ。そのビーチには車で向かう道がないため、この橋から山道を歩くか、カヌーで海を漕いで行くしかない。まさにこの橋が、美しく人気のビーチへの出発点。多くのトレッキングをする人が、この橋を渡って山の中に入っていく。僕たちはそのビーチに向かう途中にある峠まで、軽くトレッキングをする。

橋を渡ると、厳重に門が閉められている。これは通行止めではない。人間は通れるが、ノヤギは通れないようにしている。
実は小笠原の多くの島では、ノヤギによる自然破壊が深刻な問題になっている。ノヤギとは、小笠原の開拓時代に移植民が持ち込んだヤギが野生化したもの。太平洋戦争時、激戦地区になったこの島は、疎開や長いアメリカの支配を経て、日本に返還されている。返還後は、東京都の政策で人が住むのは父島と母島のみとし、島内の住める地域も限定しているそうだ。そのため、無人島や人の入らない山の中でヤギが爆発的に野生化して繁殖し、貴重な小笠原の植物を食べつくしている。
ノヤギはいずれすべて駆除される予定だ。しかし、父島に生息するノヤギはまだ駆除が開始されていない。今は山からノヤギが降りてこれないようにして、生息範囲を縮めていく方法がとられている。

眼下に広がっていく父島の海と川と森

門を開たらしっかり閉めて、山道を登っていく。道はきちんと整備されていて歩きやすく、迷うことはない。どんどん下に流れる八瀬川が足もとに小さくなっていく。先ほど渡った橋が、もうだいぶん遠くになってきた。
この八瀬川でもカヤックでリバーツーリングが楽しめ、絶好の練習場所だ。この山道からは原始の姿を色濃く残す、南国の川の様相を見下ろせる。

熱帯雨林のジャングルを思わせるような山肌が見え隠れする。とても遠くの島に来たと思う光景。今、日本の中でお正月を過ごしているとは思えない。

眼下に小笠原の青い海が広がり始めた。ビーチから見ているよりもさらに青く、瑠璃色というよりもスカイブルーに近い海の色が広がる。手前の木はタコの木。小笠原にいっぱい生えている木で、根本がタコの足のように広がっている。タコの木は皮細工など、小笠原の伝統工芸にも利用されている。

青い海の向こう、対岸には「コペペ海岸」
小笠原の海岸には、きれいな東屋とトイレが必ずと言っていいほど整備されている。まるで南国の島のプライベートビーチのようでとても美しい。
しかし、その背後の山には今も、朽ち果てた大砲がこの美しい海に狙いをつけながらトーチカの中で眠っている。この海で、戦争が行われていた確かな証拠と記憶が、探せばこの付近にはいっぱい見つけられる。

うっそうと茂る木々の中を青い海を見下ろしながら登っていく。ここからは穏やかに見える海だが、かなり波は高く、カヤックでは初心者は漕ぎ出せない状況だ。山肌に響く、轟音に近い波の音だが、この海の色を見ていると大自然の大きさを感じる。

中山峠からは父島の美しい風景を余すところなく堪能できる

山の斜面を登り切ると稜線に出た。海のすぐ上、暖かい南国なのに、その風景は森林限界を超えたアルプスの山々のようだ。
小笠原は火山でできた島。岩肌がむき出しの場所が多く、そこには木々は生えないのだろうか。とても荒々しく手つかずの自然が広がる島の風景はとても雄大。本格的な山登りの装備で訪れたトレッカーを多く見たが、その目指すものがよくわかった。

稜線に出たらすぐ、中山峠に到着。ベンチと傘があり、ちょっとした展望台になっている。歩行時間は約20分弱。本当にちょっと歩いただけでこの絶景。空と海と大地の交わりが手に取るようにわかる、素晴らしい景色。こんなに美しい場所だとは思いもしなかった。強く勧めてくれ、時間も用意してくれたスタッフさんに感謝。
展望台付近には木々は生えておらず、360度、さえぎる物のない素晴らしい父島の展望を楽しめる。

見下ろす小笠原の海。遠浅の小港海岸は美しいスカイブルー。そして、外洋は紺碧。溜息が止まらない、美しい海の青さのグラデーション。

海の青さと、島の緑が混じりあい、交錯する。差し込む光が、それらが持つ色をさらに鮮やかに染め上げる。遠くから聞こえる大きな波の音がリズムを刻み、時の流れを止め、その存在を悠久の彼方に忘却させる。
ただ、美しい。心はこの風景に惹きつけられ、虜にされる。

写真右のビーチが小港海岸。写真中央の奥のビーチがコペペ海岸。すぐ近くの2つのビーチだが、車で向かうとぐるっと迂回するのでとても時間がかかる。小港海岸からコペペ浜に行くのなら、泳いで行ったほうが早いと地元の人は言うが、まさにその通りだ。

中山展望台から南西方面を望む。山を下った所にブタ海岸があり、そこから約1時間でジニービーチやジョンビーチにたどり着ける。海の向こうに見えるのは南島。小笠原を代表する風景の「扇池」がある島だ。
厳しい入島規制のある島だが、明日、あの島に向かう予定をしている。楽しみだ。

先ほどまで遊んでいた、小港海岸を見下ろす。昼休みの時間は気になっていたが、まだ他の参加者は海で楽しく遊んでいるようだ。美しく広い砂浜に青い海。小港海岸の美しさがここからだと手に取るように良く分かる。
さて、景色を堪能したらあの海岸まで戻ることにする。

小笠原・父島の宿泊情報

■ 父島の街の中心で便利なリゾートステイ

■ 小笠原を代表するリゾートホテル

中山峠展望台

場所: 東京都小笠原村父島
交通: 二見港から車で約15分、徒歩20分
駐車場: 小港海岸入口付近の路肩を利用
付帯施設: 日よけつきベンチ (トイレは入山前に小港海岸で済ませる)

【投稿時最終訪問 2008年1月】

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