舞鶴赤れんがパーク【海軍と自衛隊のレトロな歴史】
京都府北部に位置する舞鶴市。明治時代に日本海側唯一の軍港が設置された町で、現在でも海上自衛隊の基地がある海軍の町です。そんな舞鶴には明治時代に軍事施設として建設された赤れんが倉庫が今も多く残っています。陸上自衛隊の護衛艦の基地となっている北吸桟橋に面した赤れんが倉庫が建ち並ぶ一角が「舞鶴赤れんがパーク」として整備されており、明治時代のレトロな建物の見学や、展示やショッピング、美味しい食事を楽しむことが出来ます。
レトロな散策が楽しい赤れんがロード
駐車場に車を停めたら、赤れんがパークの中心に向かって歩きます。駐車場はやや離れていますが、「赤れんがロード」という散策道で結ばれています。赤れんが倉庫の前を通る1902年に建造された石畳の運搬路で、レトロな雰囲気を味わうことが出来ます。
赤れんが壁の一部は、空襲などに備えて黒く塗られたか、それとも火災に遭ったのか。変色した壁がその歴史の重さを物語っています。
木の電信柱と裸電球、そして赤レンガ壁がこれでもかとレトロさを満喫させてくれます。
1棟でも貴重な明治時代の赤れんが倉庫が道沿いに何棟も並んでいます。これだけレトロな赤れんが倉庫が連続して建ち並んでいる場所も滅多にはありません。タイムスリップしてしまったかのような、物語の舞台のような場所です。
窓枠や扉、基礎やその他細部の意匠まで見ていてとても楽しい赤れんが倉庫。当時の未熟ながらも工夫された建築はとても貴重なもので、美しく惚れ惚れとしてしまいます。付近の草木と相まって時の流れも感じられるレトロでノスタルジックな風景です。
展示や海軍名物が楽しめる赤レンガパーク
赤れんがパークは1号~5号棟で構成された赤レンガ倉庫群。中心部は2~3号棟が縦に並び、横に5号棟が建っています。赤れんが博物館として使用されている1号棟は少し離れた場所にあります。
3号棟と4号棟に挟まれた通路は、その先に5号棟を見る赤れんがに囲まれた空間。芝生と石畳の通路がとても気持ちよく感じます。写真の背後にあたるパーク側は開放的な芝生広場となっており、海に面しており停泊中の艦船を眺めながらくつろいだりテイクアウトの食事を楽しむことが出来ます。
手前にある赤れんが4号棟は「赤れんが工房」として活用されています。旧海軍の兵器廠倉庫として1902年に建造されたレンガ造りの倉庫で、内部には木製の扉や階段、ガラス窓が当時のまま残されています。創作工房やスタジオ、フリースペースとしてクリエイターたちの創作拠点や発表の場として活用されています。確かにこんな本物のレトロな空間で作品を造ったり展示できるとなれば、創作意欲が格段に高くなりそうですね。なお、5号棟も「赤れんがイベントホール」として活用されています。
赤れんが3号棟は1902年(明治35年)に旧海軍兵器廠の倉庫として建設されました。終戦まで弾丸庫並小銃庫として利用されていました。現在は民間の倉庫利用を経て、「まいづる知恵蔵」という無料の舞鶴の歴史に関する展示室になっています。
赤れんが2号棟は「舞鶴市政記念館」として利用されています。1902年(明治35年)に旧海軍兵器廠の倉庫として建設され、終戦までは砲銃庫、戦後は市役所の第二庁舎として使われました。現在は吹き抜けのホールや飲食店も併設されています。特に1階にある赤レンガカフェJAZZでは、名物の「海軍カレー」や「海軍肉じゃが丼」など、舞鶴の旧海軍にまつわるメニューを楽しめると人気です。また、少し離れたところには赤レンガ博物館(赤れんが1号棟・有料)もあります。1903年(明治36年)に旧舞鶴海軍の魚雷の倉庫として建設された倉庫です。鉄骨赤れんが造りとしては日本最古クラスの建物です。時間があればぜひ一緒に見学したいですね。
絵になる最新の護衛艦とレトロな赤レンガ倉庫
赤れんがバークを楽しんだら、少し離れた場所にある別の施設に向かいます。それは海上自衛隊の「北吸桟橋」です。護衛艦などが何隻も係留されている海上自衛隊の基地で、週末には一般公開されており、基地内の岸壁から間近に護衛艦を見ることができます。また、年に数回、護衛艦に乗船できるイベントも開催されています。
赤レンガ壁に絡んだツタがレトロさをさらに深くしてくれています。
レトロな赤れんが壁の向こうに鋼鉄の無機質な船体が見えてきます。赤れんがパーク内からも北吸桟橋に係留されている自衛艦の姿を望むことが出来ます。
レトロな赤レンガの向こうには最新式のレーダーやファランクス、垂直発射装置などを最新の武器を搭載した護衛艦の姿があります。レトロな空間の向こうには時空を超えた風景がひろがっています。大正時代や昭和時代には、この向こうには巨大な手法を装備した軍艦が停泊していたことでしょう。
国道27号線に出て、北吸桟橋を目指すと、海上自衛隊の赤れんが倉庫があります。舞鶴鎮守府の軍需品等の保管倉庫として、1900年(明治33年)から1921年(大正10年)にわたって建築が続けられ、倉庫群となりました。近づいての見学はできませんが、美しく重厚な赤れんが倉庫はとても美しく、その横を歩いているだけでも当時の軍港の雑踏が聞こえてきそうなくらいです。
赤れんがバーク
場所: 京都府舞鶴市字北吸1039-2
電話: 0773-66-1096
時間: 9:00~17:00
休業: 年末年始(12月29日〜1月1日)
入場料: 無料(赤れんが博物館・大人400円、学生150円)
交通: 舞鶴若狭自動車道 舞鶴東ICより20分
駐車場: 600台(無料)
【投稿時最終訪問2015年6月】