飯野山登山【讃岐富士】

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うどん県で親しまれる香川県を代表する食べ物「讃岐うどん」。県内には多くの讃岐うどん店があるが、特に丸亀や坂出付近には多くの有名店が軒を連ねる。人気のお店をハシゴする際に一際美しい容姿の山がどこからでも望むことができるのも、このエリアの醍醐味だ。

美しい山容でうどん県人気の山、讃岐富士

日本全国には「富士」の愛称を持つ山が多い。香川県に「讃岐富士」の名で親しまれる山がある。それが「飯野山」(421.9m)だ。標高こそ低いものの、とても広い讃岐平野の中に突然現れた見事な円錐形の山容には惹きつけられるものがある。特に、この山がそびえる場所の近くは、おいしい讃岐うどん店が集中しており、うどん巡りをする人の目に何度も飛び込んでくる。

讃岐うどん巡りの途中、どうしても我慢できず、腹ごなしで飯野山に登ることになった。
飯野山には山麓に何ヵ所か登山口がある。今回は「野外活動センター」からの登山だ。狭い道をアクセスするが、「飯野山登山口」という看板が山麓にいくつかあり、登山口まで導いてくれる。
標高が低いので簡単に登れると思っていたが、みんな結構しっかりした格好をしている。讃岐うどん巡りの途中で立ち寄ったので、普段着かつ地図も予備知識なしというぶっつけ本番の登山だ。
正直、山を甘く見たよろしくない行為だが、天気もよく、道もよく整備されているというのは知っていたので、チャレンジすることにした。

直登ルートで目指す飯野山頂上

登山道はとてもく整備されていて歩きやすい。腹にたまった7玉のうどんと天ぷら2つがかなり重たくて汗をかいたが、それ以外は快適な登りを楽しめる。スニーカー程度でも、全く問題のない道。

見下ろす讃岐平野と瀬戸内海。傾く日差しに照らされた紅葉の間から見える風景は、とても気持ちがいい。
さて、しばらく行くと、道は分岐点に到着する。「通常のルート」と「直登ルート」に分岐している。通常の道は飯野山をぐるりと1周して登頂するとても歩きやすい道。直登ルートはほとんど迂回せず、一気に頂上を目指す山道だ。「男は黙って突き進め」そう言わんばかりに直登ルートを行く。

飯野山の直登ルート。先ほどと雰囲気はうってかわり、うっそうとしたシダが生い茂るジャングルのような森を行く。道幅も狭まり、初めは緩やかな道もどんどん道が急になっていく。ただし、スニーカーでも登れるくらい、よく整備はされている。
予想以上の自然の懐の深さに思わず歩みが止まり、ついつい自然観察。

飯野山頂上からは讃岐平野のため池の絶景を展望

登山開始からおおよそ40分で、讃岐富士の頂上に到着。頂上は広場になっていてトイレや神社の祠、石碑などがある。少しベンチに座って休憩。大食いした後の登山は、とにかく汗が吹き出して困る。

さて、休憩したら、頂上から少し階段を下った所に展望台があるので、そちらに向かう。

展望台から広がるのは讃岐平野の絶景。360度というわけにはいかないが、西向きはほぼ180度の展望が得られる。南側を向けば、広い讃岐平野の奥に、四国の背骨をなす高い山々がそびえている。

広がる讃岐平野。讃岐平野は非常に雨が少ないため、ため池がとても多い。そして、さぬきうどんの店もとても多い。
この美しい平野の中を、先ほどまで美味しいさぬきうどんを求めて車を走らせていた。

夕日に照らされ、輝くため池。とても幻想的な風景だ。

いくつものため池が輝き、讃岐平野を彩る。右側を走るのは高松自動車道。

幻想的な夕暮れ時の讃岐平野を讃岐富士から見下ろせる。ため池から望む讃岐富士の姿はとても美しいが、見下ろすため池のある讃岐平野の姿も美しい。

見下ろす山麓。飯野山はなだらかな麓を持たず、突然にして平野の中に隆起するので、民家がすぐ真下まで迫って見える。
のどかな田園が広がり、煙が漂う景色には、深まる秋を感じられる。

ため池と土器川が夕日を反射して輝く。いつまでもここにいて、素晴らしい夕暮れ時を感じていたい。
しかしあまり遅くなっても下山に支障が出る。程良いところで景色を楽しむことを切り上げ、下山の準備に取り掛かる。

瀬戸大橋を見下ろしながら飯野山を下山

美しい風景を十分に堪能した後、下山を開始する。下りは飯野山を1周する通常の登山ルートで下ることにする。
この道はとても歩きやすい道で勾配もなだらか。日没が近いのに、まだ登ってくる人も多くいる。
さて、歩いているうちに分岐点に差し掛かった。「丸亀市」方面と「飯山町」方面と書かれている。これは困った。地図を持っていないのでどちらに行けば車を置いた所に降りれるか分からない。グーグルマップより飯山町方面へ下りることにした。飯山町への登山口には神社があるという道標が出ており、確かに登山口に神社があったので間違いないだろうという判断だ。しかし、神社は日本にどれくらいの数があるのかもっと冷静に考えればよかった・・・

北側を見下ろすと、瀬戸大橋と坂出の町並みが見える。讃岐富士の紅葉の向こうに見える瀬戸大橋と瀬戸内海の風景はとても素晴らしい。

道は階段をひたすらに下って行く道が続く。全くイメージとは違うルートを歩いている。木々の間から見える下界の風景を見て、違う場所に導かれていると確信する。しかし、また頂上付近まで登り返そうという気力もない。とりあえず下界まで降りて、登山口まで歩いて戻ればよい。
案の上、下山した場所は全く違う場所だった。そこにあった神社も、登山口にあった神社とは別の神社だった。
改めてグーグルマップを見ると、現在地はなんと登山口と全くの反対側。車まで2~3km歩いて戻らなくてはならない。やっちまった・・・
思ったより早く車に戻れたが、それでももう付近は暗闇に包まれる直前だった。下調べなく、思い付きで山に登るとどうなるか。ちょっと痛い目にあった登山だった。

飯野山登山に便利な宿

飯野山(讃岐富士)

住所: 香川県丸亀市飯山町川原土居
電話: 0877-98-7956
休み: 対象外
営業時間: 対象外
交通: 瀬戸中央自動車道坂出ICから国道11号、県道194号を飯野方面へ車で4km
駐車場: 有り(丸亀市側は野外活動センター、飯山町側は登山者専用駐車場)
     共に無料、約10台駐車可

【投稿時最終訪問 2008年11月】

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