石鎚登山ロープウェイ【冬の石鎚山】

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温暖な愛媛の中にありながら、冬になると平地からでも真っ白になった姿を見せてくれる西日本最高峰の石鎚山。そんな冬の石鎚山の中腹まで気軽に連れていってくれるのが「石鎚登山ロープウェイ」だ。石鎚スキー場へのアクセスはもちろん、石鎚山冬山登山やスノーシューも楽しむことができる。
通常、松山に住んでいれば石鎚山を登るのは「石鎚スカイライン」終点の土小屋からである。車があれば無料で登山口までたどり着けるし、ロープウェイの山頂駅より標高が200m近く高い。さらにロープウェイから登ると、無駄な下りが100mある。要するに、ロープウェイ登山をするほうが、スカイラインを使うより300mも登りが多いことになる。ロープウェイ代に駐車場料金を払わされたうえに300mも登りを追加されるなんてとんでもない。そのため、僕は1度もこのロープウェイを利用して石鎚山に登ったことはない。
ならば、なぜ本日このロープウェイに向かっているのか。理由は簡単だ。石鎚スカイラインは冬季閉鎖されるため。このロープウェイの山頂にはスキー場があり、通年営業されている。冬に石鎚山に登るには、このロープウェイを使うことになる。
国道11号より、県道12号を走り、石鎚山ロープウェイに向かう。途中、道路脇を流れる加茂川の水の青さが美しく、山からは雪解けの水が激しく滝のように方々で降り注いでいる。ロープウェイ付近は切り通しや素掘りのトンネルの跡などが残っていて、とても山深い雰囲気がある。
駐車場はアーケードのようになっている所の奥にある。1日500円。かなり広いが、入口の一部以外は未舗装。橋を渡った向こうにも、グランドのような広い駐車場がある。

ノスタルジックな昭和の雰囲気が残る石鎚山ロープウェイ

駐車場のアーケードを出てすぐの階段を登り、坂を登る。お堂や石像が立ち並ぶ道の奥には、ロープウェイの「山麓下谷駅」がある。この付近は昭和のテイストが色濃く残っていて、とてもノスタルジックな雰囲気を感じる。昭和40年代前半の開業した当時そのままの時間が残っているかの様だ。

この時期の始発便9時に乗ろうかと思ったが間に合わず次の便に。基本的には20分間隔で運転している。ゴンドラはとても大きく、大人数が乗れるが、座席は6人分ほどしかない。

石鎚登山ロープウェイの高度感がすごい!

さて、「山頂成就駅」に向けて出発。全長1800m、標高差850m、約8分間の空の旅の始まりだ。リフトが登り始めるにつれて、下のほうから水の音が聞こえてくる。川だ。リフトの真下、急勾配な谷に川が流れている。所々滝となって、急な斜面を滑り落ちていく。雪解けの時期のため、水の量もとても多く豪快だ。日本のロープウェイは何箇所か乗っているが、こんな真下に川が流れているのは珍しく思える。谷沿いに造られたロープウェイというのもは初めて見た。その谷沿いにどうやって建てたのか想像もできないくらいの高い鉄塔が索道を支える。鉄塔に近づくと、谷底からの高がリアルにわかり、足がすくむ。

見下ろす下谷駅。その圧倒的な高度感には時々足がすくみそうになる。深い川底に駅があり、その周辺に建物が並ぶ様はどことなく岐阜県の「新穂高ロープウェイ」に雰囲気が似ている。新穂高温泉程ではないが、この谷底のロープウェイ駅そばには温泉旅館がある。四国には珍しい、白濁した湯をたたえる鄙びた温泉。下山後に入るつもりだ。

山の上には真っ白に染まった瓶ヶ森(1896m)が姿を現した。あの瓶ヶ森は四国を代表する大河、「吉野川」の源流の山である。この景色はまるで信州の高い山にロープウェイで登っているような気にさせる。

さて、頂上駅が近づいてきた。あれ?雪がない・・・
ゴンドラを降りると、食堂兼土産屋。外に出ると思ったい所に暖かい。気温は6度。この年は暖冬だったので3月の上旬には雪がかなり少なくなっていた。ここから登山者は道を登り、スキーヤーは道を下る。石鎚山の姿はまだ見えないが、遠くには真っ白な瓶ヶ森。
1月にまとまった降雪があったが、さすがにこのあたりは融けていて、明日がスキー場の最終営業日。まだ雪用の登山装備はザックに入れたまま、石鎚山目指してゆっくりと登山道を歩き始めた。

■石鎚登山ロープウェイ近くのモダンレトロな温泉宿

■ 石鎚山付近の旅館・ホテル一覧

石鎚登山ロープウェイ

場所: 愛媛県西条市西之川下谷甲81
電話: 0897-59-0331
運賃: 片道/大人1050円、子供520円
    往復/大人2000円、子供1000円
営業時間: 9時~17時(元旦、G.W.、夏期には営業時間延長あり)
運航間隔: 20分ごと(毎時0分、20分、40分発)、繁忙期は臨時便あり
営業期間: 通年、年中無休(点検等で不定期運休あり)
駐車場: 500台/1日500円
交通: 松山自動車道西条ICより車で約60分
    松山自動車道小松ICより車で約35分
    JR西条駅よりせとうちバスにて約55分(1日4便)
近隣施設: 温泉旅館京屋(日帰り入浴可能な鄙びた一軒宿)

【投稿時最終訪問 2008年3月】

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