湯之谷温泉日帰り湯【ひなびた湯治湯がロハスな宿】

西日本最高峰の「石鎚山」をはじめ、四国の屋根と言われる2000m近い山をいくつも擁する愛媛県西条市。石鎚山系の恵みである「うちぬき水」といわれる伏流水や清流が方々に流れる水の都で、平野部には水田がどこまでも広がっている。そんな見事な田園風景の中、ひっそりと佇む1軒の温泉宿がある。それが「湯之谷温泉」だ。湯之谷温泉は1400年前に斉明天皇が入浴したという文献が残る歴史ある湯。石鎚山などの登山だけでなく、遍路道の途中にもあるため、登山者やお遍路さんの入浴客、地元の客でにぎわっている。

石鎚山山麓の源泉かけ流しの湯治宿がリニューアル

四国の大動脈、11号線から少し入ったところに湯の谷温泉はある。看板を目印に細道に入ると、狭い裏路地、田んぼの中の道。こんな所に温泉があるのかと思うような場所に湯之谷温泉はある。最近リニューアルされたばかりだが、建物の外観は古いまま。「ひなびた温泉」という表現がぴったりの温泉。とにかく、温泉情緒がたっぷりと漂う。

湯之谷温泉は奥まった場所にあるが駐車場は広い。50台は停められる。車でのアクセスがほとんどなので、広い駐車場があると安心する。

湯之谷温泉の外観は古いままだが、中は綺麗にリフォームされている。所々昔の「古臭い」造りをうまく残しており、味のある意匠になっている。

温泉棟は一部リフォームがあるとはいえ、ほぼ以前のまま。それがまたいい味を出していて、隠れ湯やひなびた温泉のイメージを強くしている。更衣室のロッカーは100円リターン式だが、ドライヤーは有料。さらには風呂を上がってすぐの場所に自販機が置いている。宿泊施設なのに、シャンプーやソープの備え付けは無く、有料だ。さらには休憩室も入室するのに別料金。とても安い入浴料金だが、こういったアメニティなどの付加価値で、少しずつ料金が必要になっている。

源泉かけ流しの湯治湯は雰囲気も効能も抜群!

浴室内部。ここはリニューアルされておらず、昔の雰囲気がそのまま残っている。湯船は内湯が2つとサウナ、水風呂のみ。とてもシンプルなつくりだ。浴室に入った瞬間、どことなく懐かしい香り。強いて言うなら「天花粉」のようなにおい。いかにも温泉といった感じがする。湯はやや緑っぽい湯で無味。柔らかい湯で、とてもよく温まる。湯は愛媛では数少ない源泉かけ流し。自家冷鉱泉で硫黄分も含まれていて、美肌効果が高いという。源泉は冷泉のため加熱しているが、薪で沸かしておりさらに湯質が高くなっているそうだ。ただ、手間がかかるためか、湯の吐出は時々止まる。洗い場は7箇所ほどあるが、給湯される湯は限られており、複数で使うと湯の勢いがかなり弱まる。このあたり、施設はやや古いが、ひなびた独特の雰囲気の中だと、それがまたいい感じで味がある。

こだわりカフェや足湯でまったりとできる!

食事処の「無庵」壁一面の窓の開放感と、その窓から見れる自慢の庭園。とても落ち着いた空間になっている。ランチ利用は11~14時までだ。「無庵」には食事処とは別室で有料の休憩室もある。休憩室もとても落ち着いた空間になっている。休憩室料金は実質大人240円、小学生150円、幼児無料。17時迄の利用が可能。

宿の入口には無料の足湯がある。足湯は「足湯cafe ゆるり」としても営業している。こだわりのコーヒー。「湯之谷スムージー」と名付けられた愛媛県産オレンジを使ったスムージー。そしてなにより、地元の西条市に本店を持つ愛媛の人気のパスタ店「マルブン」のパスタが楽しめる。足を名湯に浸しながら、美味しいものを楽しめる。

レトロな湯治宿がロハスな雰囲気の宿に変身!

湯之谷温泉の宿泊棟。かつては鄙びた湯治宿だったが、2012年春にリニューアルしてかなり趣向が変わったようだ。客室は10室のみ。うち3室は露天風呂付のリゾートホテルのような豪華な部屋になっている。鄙びたどこか懐かしさを感じる中に、新しいエッセンスがきらりと光る。新旧混在する風景は、非日常的なくつろぎを楽しむ事が出来た。

湯之谷温泉

住所: 愛媛県西条市洲之内甲1193
電話: 0897-55-2135 
営業時間: 8:30~22:00
休業日: 不定休
設備: シャンプー、ボディソープ、ドライヤー、休憩室(左記すべて有料)
   100円リターン式コインロッカー
風呂: 内風呂、水風呂、サウナ
泉質: 低張性弱アルカリ性冷鉱泉
施設: レストラン、ホテル、自販機、売店、
交通: 松山自動車道・いよ西条ICもしくはいよ小松ICより車で15分
料金: 大人360円 子供150円 幼児60円
駐車場: 50台(無料)

【投稿時最終訪問 2013年4月】

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