冬の小樽・旧国鉄手宮線跡地
札幌の北、日本海に面した港町、小樽。小樽運河や、寿司などの美味しい海鮮が味わえる観光都市ですが、その歴史は古く、かつては北海道の玄関口として、数多くの銀行や商社が立派な支店を置いた経済都市でした。そんな時代の華やかさを市内で立派な建造物として見ることができます。その多くが現在は別の商業施設やオフィスとして利用されていますが、その中でも異質の遺産が「手宮線」の廃線跡です。
踏切やレールも残る手宮線跡
小樽市の南小樽駅から手宮駅を結んだ北海道でも最初の鉄道開業区間の一部。石炭や海産物の運搬に使われたが、昭和60年に廃止されました。現在、廃線跡のほとんどが保存されており、レールはもちろん、なんと踏切も残っています。知らないとついつい電車が来ないか気をつけてしまうほどで、冬場は除雪されていないレールが不思議に感じてしまいます。なお、踏切には一時停止不要と看板が出ています。
雪の下にはレールが今も残っており、その線路沿いを歩くことができます。残念ながら冬場は雪が鉄道施設のほとんどを覆い隠してしまっており、道とも言えない不思議な街中にポッカリと空いた空間になっています。
雪がそのまま残る線路跡には踏み跡が残っています。頑張って歩いた観光客もいるようですが、やはり雪に足が埋もれてしまい、全てを歩くことは困難です。
当時の駅舎が今も残る色内駅
雪積る廃線跡には「色内(いろない)駅」跡が残っています。雪の端からかろうじて背の低いプラットホームの一端が姿をのぞかせています。待合室もあり、今でも現役で使えそうなくらいです。
線路沿いには民家やマンション、小さな居酒屋などが軒を連ねています。廃線の距離的には南小樽駅から手宮駅間まで2.8 km。そのうち小樽中心部にほど近い1.6kmの区間は歩きやすく線路跡が保存されています。雪のないシーズンには、レールの上をゆっくりと歩いてみたいですね。
小樽の観光・宿泊情報
小樽の有名な観光名所は「小樽運河」ですが、街中にはレトロな歴史的建造物がたくさん残り、「堺町通り商店街」でのショッピングや「三角市場」をはじめとした海鮮グルメで一日中楽しめる街です。ぜひ小樽に宿をとり、ゆっくりと街中を散策したいですね。
旧国鉄手宮線跡地
住所: 北海道小樽市色内1-15-14
交通: JR・小樽駅より徒歩5分
【投稿時最終訪問 2018年3月】