六甲ケーブル【六甲山の大自然とレトロを満喫】

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「六甲ケーブル」は六甲山観光・登山の拠点。六甲ケーブル下駅から六甲山上駅まで、高低差493mを約10分で結んでいます。六甲山の自然をダイレクトに楽しめるトロッコタイプの車輌が連結されており、レトロな雰囲気と相まって人気を博しています。また、山上駅には天覧台という絶景展望台があり、六甲山上の観光施設や神戸を代表する夜景スポット・掬星台へ山上バスを使って巡ることができ、有馬温泉へロープウェイで下山することもできる豊かなバリエーションも人気です。

山小屋風のクラシックレトロなケーブル下駅

六甲ケーブル下駅。阪急・JRよりバスでアクセスします。大きな三角屋根でレトロな山小屋風の駅舎が山旅の始まりを盛り上げてくれます。六甲ケーブルは通年始発が7時10分、終電が21時20分となっており20分間隔で運行で運行しています。ケーブルカーとしては異例の運行時間の長さで、朝早くの登山や夜景を見てからの下山などにも便利です。

なお、下駅には自販機はありますが売店はありません。山上駅も含めて近くにコンビニも無いので、お菓子や食料が必要なら、事前に購入しておくようにしましょう。

太い木の梁や石造りの意匠などが使われた駅舎内には山小屋のようなクラシックレトロな雰囲気が漂っています。六甲山ケーブルは昭和7年に開業した歴史ある施設。この駅舎は2代目ですが、再建築も戦前のため、とてもレトロです。そのレトロさを壊さないように上手にモニターなどの近代施設も導入されており、観光に便利なコインロッカーも設置されています。

待合室にも太い木の柱や木のベンチ、そしてレトロな照明など、駅舎の雰囲気とマッチするように造られていて落ち着いた場所になっています。

全く違う車輌が連結されたレトロなケーブルカー

プラットフォームで出発を待つケーブルカー。駅舎も車輌にも落ち着いたクラシックなレトロ感が漂っています。

六甲ケーブルの車輌はケーブルカーとしては珍しい2両編成。しかもクラシックタイプとレトロタイプの意匠に分けられており、さらには通常型の車輌と、窓のないオープンタイプのトロッコ車輌になっています。

上側は普通の車輌、下側は窓のない開放型のトロッコ車両です。デザインやシチューエーションが全く違うので、どちらに乗ろうか迷ってしまいます。

上部車両は窓ガラスがはめ込まれた通常のタイプ。レトロな雰囲気ながらも明るい照明と冷暖房完備なので、天候の悪いときでも快適に乗車できます。通勤・通学の足に使う地元の方にはもってこいの車両です。

下部車両は窓がないオープンタイプのトロッコ車両。昔ながらのさらにレトロな設えで、天気の良い日の観光用として人気です。

六甲山の自然をダイレクトに感じられるトロッコ車輌

平日の始発だと、乗車する人はほとんどいません。まだ暑さが残るこの日も、オープンデッキの車輌だと朝の涼しい山の空気が瑞々しい緑の香りを纏って通り抜けていき、とにかく心地良いのです。

一般的なケーブルカーは一直線に山肌を登っていくので下界の展望を楽しめますが、六甲山ケーブルは谷底に沿って多くのカーブを刻みながら登っていきます。展望はありませんが六甲山の自然を間近に感じることができ、途中六甲山の湧水を集めた沢を間近に眺められます。オープンデッキの車輌だとこの豊かな自然をダイレクトに感じられてとても気持ちが良いのです。

ケーブルカーおなじみの中間地点でのすれ違い。下りの車両には何故か制服を着た高校生が何人か乗っています。実はケーブルカーの頂上駅は六甲山町という町になっており神戸市立の六甲山小学校があります。六甲山に住む子供だけでなく、山麓から通うことでも有名な山の上にある小学校。山上の町に住んでいた子どもが大きくなれば、山を下って中学や、高校に通学することになります。そのため、六甲山ケーブルカーは登山ケーブルとしてはかなり朝早くから夜遅くまで営業しており、地域の足となっているのです。

どんどん標高を上げていくケーブルカー。中間のすれ違いを過ぎてややすると、ケーブルカーでは珍しい大きなカーブを過ぎると、最後尾からは神戸の海を見ることができます。

重厚な大正レトロを感じる六甲山上駅

六甲山上駅に到着。標高は約737m。下界に比べてとても涼しく、濃厚な緑の香りを感じます。

山上駅は木と石造りだった下駅とは異なりコンクリートと鉄骨のモダンレトロな雰囲気。山上の明るい光も浴びてとても開放的に感じます。

階段状になったレトロなホームを登って駅舎へと向かいます。

ホームから駅舎の中に入ると、大正レトロな空間が六甲山上への来訪を出迎えてくれます。しかし、レトロな中に不思議な不思議なオブジェがいくつもあることに驚きます。六甲山では毎年夏場に「神戸六甲ミーツ・アート」という芸術祭が開催されており、様々な施設やフィールドにアーティストの作品が展示されています。駅舎内には自販機コーナーと土産などを取り扱う小さな売店があります。

レトロな雰囲気がたっぷりの待合室。訪問した時には芸術祭のアートがベンチの一つに寝転がっていました。怪しげなアートの横に一緒に座ったりしてレトロな空間で写真を撮れるフォトスポットでした。

駅舎の中から出て眺める六甲山上駅の外観もとても重厚でレトロ。昭和7年築の開業当時の姿をほぼそのままとどめたアールデコ調のレトロモダンさは六甲山の山上の自然ととてもマッチしています。

六甲山上駅の隣には「展覧台」という展望台があります。神戸の街並みや大阪湾を一望できる絶景スポットなので、是非立ち寄りましょう。

ここからはバスや登山による観光となります。六甲山ガーデンテラスを代表する、美術館やアスレチックなどの観光施設の集まる六甲エリアと、六甲山牧場や掬星台がある摩耶エリアへそれぞれバスに乗って移動します。また六甲山頂やその付近への登山の拠点にもなっています。さらには六甲山を観光したあと、六甲有馬ロープウェイで有馬温泉へ抜けることもできます。

六甲ケーブル(下駅)

所在地: 兵庫県神戸市灘区高羽西山8−2
電話番号: 078-861-5288
料金: 大人/片道600円・往復1100円 子供/片道300円・往復550円
期間: 通年
休み: 無休
時間: 7:10~21:10
運行: 20分間隔
交通: JR六甲道駅・阪急六甲駅よりバス(約20分)
駐車場: 約40台(最大料金1000~1500円)

【投稿時最終訪問 2023年10月】

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