松山総合公園【紅葉と秋の夕日とベビーカー】

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紅葉の便りが全国から聞かれるようになった11月。ベビーカーでのプチ紅葉狩りで「松山総合公園」に訪れた。「松山総合公園」は大峰ヶ台という標高140mの山につくられた公園。山の中腹ほどまでは車で登れる。第1駐車場に車を停めたら、ゆっくりと舗装された道をベビーカーを押しながら登って行く。山頂にはヨーロッパの城をイメージされて作らた展望台があるほか、巨大遊具広場や広大な芝生広場があり、子供が楽しく遊ぶことができる公園だ。

紅葉の坂を頂上目指してベビーカーで

遠くから見る総合公園の所々赤くなっているので紅葉が一部的に始まっているのは確認できていた。実際に訪れてみると、結構色づいていて綺麗だ。しかし、モミジはまだ青々としている。紅葉しているのは、この公園にいっぱい植えられている桜だ。桜の紅葉はモミジに比べると色はイマイチなので、11月の下旬くらいにもう一度訪れてみるのもよさそうだ。しかし、色づいた木々の下、落ち葉を踏みしめながら登る山は、とても気持ちがいい。

時々木々の隙間から「松山城」が見える。標高132mの山の上に建つ、三大平山城のひとつ。日本で12か所しか残っていない、江戸時代以前に建造された現存する天守閣の1つでもある。歴史ある松山城が夕日に照らされて誇らしげに輝いている。今も昔もこの風景は、あまり変わらないのだろう。
さて、「松山城は松山の町のどこからでも見える」というのが、松山の街づくりのコンセプトらしい。しかし現実としては、立ち並ぶビルに阻まれて、なかなか松山城の姿を見る機会は松山に住んでいても多くない。このように城と同じ高さまで登ると、その姿はよく見える。

松山総合公園頂上のフライブルク城

坂を登って行くと、今度は目の前にヨーロッパ風の古城が現れた。これは松山総合公園の展望塔で、姉妹都市であるドイツのフライブルク市をイメージしてつくられたとか。
松山市内にいると、先の松山城同様、この「フライブルク城」も市街地の中にある山の上にあるので、とにかく良く目立つ。

ベビーカーを押しながら、頂上の展望塔に到着。頂上広場の前が石畳になっていて少し押しにくかったが、ベビーカーでも問題なくここまでこれた。残念ながら展望塔はエレベーターがない5階建て。景色を見るなら子供とベビーカーを抱えて階段を登ることになる。
展望塔の1階には、おむつ替えベッドのあるトイレと自販機があり。ちなみに、この展望塔に来る途中、長い滑り台のある「ちびっこ広場」上部のトイレにもおむつ替えベッドはあったが、駐車場のトイレにはなかった。

展望塔に登る前に、まず展望塔の下から松山を見下ろす。そろそろ目がしっかり見えるようになってきた娘。初めて自分の住む町を見下ろす。
松山は四国の中でも最大の都市。先ほど述べたように、松山城が見えるように建物の高さに規制があるため、とても落ち着いた町になっている。その松山城は写真中央上部にある、市街地に囲まれた山の頂きにある。聞いた話だと、松山城からこの松山総合公園まで、なんとロープウェイを通す計画があったそうだ。松山を代表する市街地の山の上の2つの「城」をロープウェイで結んだら、確かに話題性は満点だろう。
だが、この距離にこの建物の多さを考えたら・・・
「それはムチャな話やろ」と結論付けられるのは納得がいく。

夕日と瀬戸内海の島々まで一望できる展望台

さて、ひと休憩して展望塔の5階まで娘とベビーカーを担いで登る。その頂上からは、海に沈んでいく夕日がとてもきれいに輝いている。これはいい景色だ。
伊予灘に沈んでいく夕日がここからはどの季節でも見ることができる。これは夕日を眺めるベストスポットなのではないか?意外に穴場だ。キラキラと光る瀬戸内海を眺めながらそう思った。しかし後で述べるが、ここが「穴場」なのにはそれなりの理由がある。

海を美しく染め上げる夕日は陸地を影に追いやる。夕方の主役であることをまるで激しく自己主張しているようだ。そんな瀬戸内の輝く海に浮かぶ1つの島影。おそらく方角・距離・その形から「由利島」だろう。
由利島は以前は多くの人が住んでいたが、今は無人の島だ。港や廃屋など、人が住んでいた跡が残っており、無人島キャンプや釣りに訪れる人もいるそうだ。実はこの島こそ、人気テレビ番組「鉄腕!DASH」でTOKIOが開拓しているDASH島である。

夕日に染まる三津浜方面。この付近は、古くから開けていた松山の港町。夏目漱石も松山に教師として赴任した際、この港に船で到着し、鉄道に乗って市内へと赴いている。
あまり知られていないが、松山を走る「伊予鉄道」は私鉄としては日本で2番目に古い歴史を持つ。この三津浜へ向かって電車に乗ると、当時のレトロな雰囲気を色濃く感じることができる。

ゆっくりと水平線へと落ちていく太陽。空に浮かぶ雲と季節の移ろいがいろんな夕景を作り出す。同じ風景は2度とない。海に沈む日没は、とにかく美しく、人の心を魅了する。

夕日に染まっていく松山空港。時々飛行機が滑走路から輝く空に飛び立っていく。飛行機に乗っていると、猛スピードに感じるのに、ここから見ているとまるでスローモーションのように空に舞い上がっていく。
松山空港は市街地の一角にあるので、松山の中心からリムジンバスでなんと15分で到着できる。そのアクセスの良さは、日本の空港の中でも最高クラスだと思う。松山空港の南側は市街地に向いているので、空港近くの道を通っていると、離着陸する飛行機が頭の上をかすめるように飛ぶシーンが良く見られる。

展望塔の3階部分は広いテラスになっている。ここから海に沈んでいく夕日を眺める。静寂があたりを包む。とても静かな時間。先ほどまで多くの人が訪れていたのに、もうここには誰もいない・・・
そのかわり、スピーカーから何度も先ほどから案内が流されている。
「17時で駐車場のゲートを閉鎖します。車でお越しの方はお気を付けください」
そう、この総合公園は17時以降、車で入れなくなる。そのため、ここから日没や夜景を見ようと思えば、山の下から徒歩で登らざるを得なくなる。ここが「夕日のスポット」として紹介されていないのはその為だろう。冬は夕景が見れるが、夏場は17時なんて、まだ明るくて暑い時間帯なのだし。とにかく車を出せなくなったら大変だ。そろそろたそがれるのをやめ、大慌てで駐車場へ下って行く。

今日1日最後の太陽はとても美しかった。幻想的で情熱的。真っ赤な紅葉は見れなかったが、それ以上に美しい夕日を見れることが出来て良かった。
紅葉も色づけばとてもきれいで、おむつを替える場所もある。これはまた後日、訪れてみたい。その時は、もっと夕日も綺麗に、そしてゆっくりと見れる頃だとも思うので・・・

松山総合公園

場所: 愛媛県松山市朝日ヶ丘1-1633-2
電話: 089-923-9439
期間: 通年
休み: 無休
交通: 松山自動車道・松山ICより車で約20分
   JR松山駅より車で約10分
駐車場: 駐車場あり(無料・9:00~17:00)
施設: 展望台・各種大型遊具・管理棟・自販機・トイレ(一部おむつ替え可)など

【投稿時最終訪問 2014年5月】

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