駒ケ岳ロープウェイ 【中央アルプス・千畳敷カール】

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日本アルプスには「北アルプス」「中央アルプス」「南アルプス」という3つの山域がある。その中央アルプスの盟主にして日本百名山のひとつであるのが木曽駒ケ岳(2956m)だ。とても高い山だが、木曽駒ケ岳には日帰りでの登頂が可能。その大きな手助けをしてくれるのが、「駒ケ岳ロープウェイ」だ。標高2612mの「千畳敷」まで一気に連れて行ってくれる、日本有数の山岳ロープウェイである。この千畳敷駅は、日本で最も高い場所にあるロープウェイの駅である。千畳敷カールは夏にも雪が残る氷河の跡で、森林限界を越えた雲上には可憐な高山植物が咲き誇る。

ロープウェイの駅までは大自然の中をバスに乗車

駒ケ岳ロープウェイは標高1662mの「しらび平」からの乗車になるが、しらび平までは環境保護などの面より一般車は通行不可。中央自動車道・駒ヶ根IC付近の菅ノ台パスセンターなどの駐車場にマイカーを駐車。そして、路線バスに乗り換えて、しらび平まで移動する。
細い山道をバスが何度もカーブを曲がりながら進んでいく。何度カーブを曲がったことだろう。下界には駒ケ根市の町並みの広がりが見渡せるようになってくる。そして、宝剣岳(2931m)がどんどん近付いてくる。その宝剣岳のすぐ下、森林限界を超えた所まで、ロープウェイが伸びている様子がよくわかる。

しらび平駅に到着。緑の香りがとても気持ちよく、自然の深さを感じられる。ロープウェイはシーズン中には乗車に行列し、待ち時間も多く発生する。日曜日とはいえ、まだシーズン突入前だったので待ち時間はほぼ無し。土産屋や売店はあったが、次の便に乗れるようにバスを降りたらすぐに乗り場に移動する。

滝となって流れ落ちる川の上を飛ぶように登るロープウェイ

間にあった。ロープウェイは満員電車並みだが、何とか待ち時間無しで乗れそうだ。気持ちよい緑を抜け、目指すは真っ青な青空。高低差約950mを7分半で駆け抜ける最高の空旅が、今から始まる。この950mの高低差はロープウェイとしては日本最高である。

ロープウェイが空に舞い出してややすると、眼下に立派な滝がいくつも現れる。山の急斜面を美しい水が一気に落ちてい谷。その上をロープウェイは飛んで行く。怖くなるくらいの高い場所から望む渓谷の様子は圧巻だ。

目の前にも何度も滝が姿を現す。この谷には「日暮の滝」があるのだが、どれがその滝か区別はつかないくらい滝が多い。この流れは千畳敷カールに残る雪を集めた雪解け水。冷たく美しい水の清々しさが、満員のロープウェイの車内にすら伝わってくる。

いくつかの支柱を通過すると、木々の姿がなくなる。高木が自生できない森林限界の上に出た。それと同時に、青空に生える眩しい真っ白さが萌える緑の中から目に飛び込んでくる。雪だ。森林限界を超える高い山には、7月になってもまだ雪が残っている。

ロープウェイを下りると夏でも雪が残る雲上の別世界

千畳敷駅が見える頃にはあたり一帯は森林限界を超えた世界に。そして、真っ白な雪が今もいっぱいに残っている。美しい別世界。ここが日本なのかと思えるくらいだ。

千畳敷駅につくと、空気がとても澄んでいて涼しいことが実感できる。ロープウェイを降りて駅舎の外に出ると出迎えてくれるのは宝剣岳の麓に広がる「千畳敷カール」。カールというのは氷河に削られた地形の跡。日本にも氷河期には氷河がかつて存在していた名残である。やはり今の日本にないものが作り出した風景は、日本離れしている。千畳敷カールは遊歩道があり、登山装備がなくても散策は可能。
千畳敷駅には売店や食堂があり、千畳敷カール散策の時に利用できます。また、この駅舎は日本一高い場所にあるホテルである「ホテル千畳敷」が隣接する。森林限界を超えた美しい風景の中での宿泊は、都会の喧騒を忘れるくらいの騒ぎでは済まないだろう。今回は残念ながら、宿泊はしなかったが、いつか一度止まってみたいホテルのひとつでもある。
なお、ロープウェイの下りは上りよりも混雑が予想される。乗車時間待ちは混雑時には相当になると思われるので、余裕を持って下山を開始したい。また、標高差は下界と比べて2000m以上高いこの場所はとても涼しいです。平地より10℃以上は気温が低いと考えて、夏でも長袖シャツともう一枚羽織れるパーカーなどの持参をお勧めします。

駒ヶ岳ロープウェイ周辺の宿泊情報

駒ヶ岳ロープウェイに朝早くに乗るなら、やはり最寄りの宿に泊まりたい所。シャトルバス乗り場がある駒ヶ根高原、早太郎温泉にはホテルや宿が集まっています。中央自動車道・駒ヶ根インターからもすぐの場所で様々な宿を選ぶことができます。観光の拠点にはぜひおすすめの場所です。

駒ケ岳ロープウェイ

所在地: 長野県駒ヶ根市赤穂1
電話番号: 0265-83-3107
料金: ロープウェイ(往復) 大人2540円、小人1260円
(片道) 大人1370円、小人680円
期間: 通年
休み: 荒天時
時間: 8:00~17:00(夏季は延長・冬期は短縮あり)
運行: 夏季20分間隔・冬季60分間隔 (混雑期は臨時便多数あり)
交通: 中央自動車道駒ヶ根ICより車で約5分(菅ノ平駐車場よりバスに乗り換えて35分)
JR飯田線駒ヶ根駅から伊那バスしらび平行きで50分、駒ヶ岳ロープウェイ下車すぐ
駐車場: 1日800円 約1000台(周辺駐車場合計)

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