坂出山下うどん【讃岐うどんの原風景】
讃岐富士をバックにした田園風景の中、煙をあげる小さなうどん屋。うどん県という言葉が生まれる元になっただろう映画「UDON」で、ユースケ・サンタマリア演じる主人公の実家の製麺所がそんな風景の中にあった。劇中の製麺所はセットだが、そのロケーションにそっくりでかつ、とっても美味しい大人気うどん店が「山下うどん」だ。
一般的に「山下うどん」といえば、善通寺にある山下うどんが有名ではあるが、ここはまた別の山下うどんだ。
さて、この山下うどん、普通に車を走らせていたら、そこにお店があるというのはまずわからない。何の変哲もない土手の道に国道11号線から入り、その土手道から少し奥まったところに入った場所にある。土手道のうどんの幟と小さな看板だけが目印だ。看板には「坂出山下うどん」とある。山をバックにしたのんびりとした田園風景にたなびく煙突からの煙。映画「UDON」で言われていたように、まさに「煙」を探して見つけられるようなうどん屋で、コレゾうどん県というロケーションだ。
入口には「山下饂飩」と書かれた立派な看板。そしてなぜか「郵便局集配職員休憩所」という看板もある。この周辺の郵便局員は、このうどん屋なら誰にも咎められずに一息つけそうだ・・・
店内の様子。これぞ讃岐うどんという、店づくり。厨房の前にはずらりと天ぷらがならんでおり、そこからうどんを注文する。
注文すればすぐにうどんを持ってきてくれる。うどんとお好みのてんぷらをトッピングして、席に着く。この店は会計は自己申告で後払いになる。
注文したのは「うどん小」(150円)
それにあまりにも美味しそうに見えた「芝エビのかき揚げ」(200円)だ。
うどんの丼からはみ出しそうな大きさの芝エビのかき揚げ、実はこのお店の超人気の一品。とにかくパリパリで最高の食感。それでいて濃厚な味付けでとっても美味しい。これは星の数ほどある讃岐うどんの店に必ずサイドメニュー「天ぷら」の中では、頂点を極められるくらいの逸品だ。この芝エビのかき揚げはとにかく人気で、あっという間に売り切れる。この日は朝一番の訪問だったので、運よく手に入れる事が出来た。坂出山下を訪れて、このかき揚げが残っていたのならば、絶対に買いだ。
さて、肝心のうどん。コシは強くはないが、とてもふんわりしている。そして、いかにも手切りといった不揃いの太さの麺はツルツルでとても歯触りがいい。さっぱりめのダシはあっさりしていて、濃厚な芝エビのかき揚げと一緒に頂いたのに、スルリと朝一番から頂けた。
これは隠れた名店、朝一番からとてもいいスタートだった。本当に隠れるようにしてある店だが、それでも朝一番からは行列こそないものの、店内は満員状態だ。
厨房の奥にはレンガ造りのかまどで湯を沸かしている。これが立ち上る煙の正体。造りからして、薪を使っていそうな感じだ。歴史を感じるかまどが、うまいうどんを作り出してくれているに違いない。なお、坂出山下うどんは早朝8時から営業しているので、行列ができる前に朝食として訪れることができる。山下うどんを1軒目にした讃岐うどんツアーもオススメだ次に向かうお店は近くにある「がもううどん」がオススメ。朝8時30分オープンで9時をまわれば行列ができはじめる超人気店だ。
讃岐うどんめぐりの観光と宿泊情報
讃岐うどんめぐりで温泉を楽しみたいならオススメの宿泊地は「こんぴら温泉」です。金毘羅山の山麓に多くの温泉宿が軒を連ねており、付近は讃岐うどんの名店が集まる地域。うどんでお腹を膨らませたら、ゆっくり温泉と金刀比羅宮への参拝をするのも良いですね。
坂出山下うどん
住所: 香川県坂出市加茂町杉仏147-1
電話: 0877-48-1304
時間: 8:00~16:30(麺なくなり次第終了)
休日: 月曜日(祝日の場合は翌日休)
形式: セルフ・後払い
駐車場: 約20台 (店舗前と土手沿いに駐車可能)
メニュー: うどん/特大(3玉)400円、大(2玉)280円、小(1玉)150円
釜あげ/特大(3玉)450円、大(2玉)350円、小(1玉)180円
【投稿時最終訪問 2010年2月】