今子浦・かえる岩と大引の鼻【磯遊びの穴場】

最終更新日

Comments: 2

京都府から鳥取県までの日本海海岸には、山陰海岸ジオパークと呼ばれる荒々しい海岸が続いています。そんな海岸美と海の青さを間近に感じられ、磯遊びやシュノーケリングを楽しめる人気スポットが兵庫県香美町の「今子浦」です。

磯遊びが楽しい今子浦の千畳敷

今子浦は日本海に面した海水浴場。千畳敷と呼ばれる広い岩場が続き、その先端にはかえる嶌と呼ばれる奇岩と荒々しい黒島が鎮座しています。背後は大引きの鼻という断崖絶壁が膿みに突き出しており、荒々しくも美しい海岸美が否応なしに迫る場所です。

県道11号線「但馬漁火ライン」沿いにある「今子浦海水浴場」は、日本海海岸の荒波を避ける湾内にあります。ビーチから少し沖に泳ぐと岩場が広がるバリエーション豊かなアウトドア派の海水浴場です。海中は岩場が写真左の建物は「いまご荘櫂の詩」という旅館。その隣は「双葉荘」という民宿。さらにその右側奥には「今子浦キャンプ場」があり、海辺のすぐ近くで宿泊できる滞在型の海水浴場です。

黒島や千畳敷に囲まれた湾内は波が穏やか。岩場の影に潜む魚影もあり、シュノーケリングにはもってこいの場所です。岩沿いに千畳敷までこれますが、水の上にある岩を渡るのは結構大変。クロックスなど、濡れてもいい靴があれば、泳がなくても楽しい磯遊びができます。

後ろの黒島を甲羅にすると亀のように見えますが、頭の部分だけをよく見ると、なるほど確かに蛙のように見えます。

黒島の岩肌にはぽっくりと海食洞が口を開けています。どれだけの奥行きがあり、どんな形状になっているのかとても気になります。この付近の海岸には、波が穿った無数の海食洞が点在しています。

千畳敷にはタイドプール(潮だまり)が無数にあり、きれいな水の中に生き物が息をひそめています。海で泳げない時期にも足をつけたりして海に親しむことができます

千畳敷の大部分は水に浸かっていますが、比較的浅い部分が続きます。頭上にそびえる断崖絶壁のは大引の鼻と呼ばれる海に突き出した細い岬。その先端に安全に登ることができるので、是非訪れておきましょう。

ダイナミックな海を眺められる大引の鼻

大引の鼻には整備された歩道が延びています。案内看板に従い、民宿の裏を歩いて行きます。

のどかな畑や雑木林をこえると、突然大地が割れて海に沈んだかのような場所になります。断崖絶壁と青い海の上を行く道は、絶景と開放感にあふれています。

まるで引き裂かれたかのように大地が裂け、荒々しい岩肌をその中から覗かせています。深い谷底には透明で青い海が、白い波を立てながら、岩肌を穿つように打ち付けています。

歩いてきた道を振り返ります。海のすぐそばにいるのに、まるで高い山の上に登って来たような風景です。これも山陰海岸ジオパークの特徴ともいえる風景でしょう。

道の終点には、大引の鼻の展望台があります。ウッドデッキが組まれ、東屋がある立派な展望台は岬の先端に突き出すようにあり、その周囲全てに海を望むことができる大展望が楽しめます。

展望台から東側へは断崖絶壁が続きます。巨大な何かに叩き割られたような、ほぼ垂直な壁が海に沈み、青い海に触れる部分には、荒波が穿った海食洞がいくつも穴を開けています。

展望台から見下ろす海は予想以上の海の青さ。冬は荒波で白濁するイメージの強い日本海ですが、穏やかな春から夏にかけては眩しい太陽の光をいっぱいに受けて、引き込まれそうな蒼さに輝いています。近畿地方の海とは思えない美しさです。

展望台から西側は、先ほど目の前にして磯遊びに興じていた黒島を初めとして、無数の島がまるで整列するかのように並んでいます。

はるか向こうの島にも、かえる島のように牛の形をした白い巨大な岩が見えます。山がそのまま海に沈んだような荒々しい海岸は、この先ずっと鳥取まで続いて行きます。牛岩?

眼下には荒々しい岩肌と、それらを今も削り取っている日本海の荒波。濃紺の海が断崖にぶつかると、化学変化を起こしたかのように、轟音をたてて眩しい水色にその色を変えます。
荒々しい海の美しさとその海が作り出した海岸美。それらを楽しみながら穏やかになった海に親しめる海水浴場やシュノーケリングポイント。春から夏にかけて、滞在しながら海に親しめる穴場な海遊びのスポットです。

今子浦の観光・宿泊情報

香住には、冬のカニを中心とした日本海で揚がる新鮮な海鮮を堪能させてくれる宿がたくさんあります。多くの宿には温泉もあり、滞在にはもってこいのエリア。夏には海水浴の宿としても大いに人気です。

【じゃらん】香住の温泉・海鮮自慢の宿

今子浦

場所:兵庫県美方郡香美町香住区境
電話: 0796-36-1234(香住観光協会)
交通:北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山ICから車で60分
駐車場:約150台(1日500円)

【投稿時最終訪問 2018年5月】

シェアする