白野海水浴場【串本シュノーケリング穴場スポット】
「白野海水浴場」は本州最南端の串本町の大島にある海水浴場。本州最南端の潮岬すぐ近くに黒潮が流れており、暖かい海に住む熱帯魚がたくさん泳ぐ桁外れに透明で青い海です。そんな串本でシュノーケリングを楽しめる穴場の海水浴場が、橋で本州と結ばれた大島の南にある「白野海水浴場」です。最低限の施設ながらもキャンプも可能なアウトドア派の海水浴場で、小さな子供もベテランでもシュノーケリングを満喫できるバラエティに富んだスポット。熱帯魚はもちろん、大型の魚との遭遇率も高いシュノーケリング好きにはたまらない魅惑のビーチです。串本という遠い場所、さらには陸続きとはいえ島のさらに南部という立地もあって訪れる人はとても少なく、ダイビングのポイントにもなっている美しい海を堪能できます。
キャンプとシュノーケルが満喫できる白野海水浴場
白野海水浴場は島と陸続きになった砂州の上にあります。潮岬と本土に三方を挟まれており、砂州つながりの島と通夜島が海水浴場の南側にあり、さらに岩礁が島の間にあるため、南風の強い夏でも海水浴場はとても穏やかです。黒潮の恵みを受けた南国の海水が常に流れ込みながらも、比較的安全にシュノーケリングが楽しめます。南紀の最も遠い場所かつ島の中の最低限の施設のみとあって訪れる人はとても少ないですが、シュノーケリング大好きなアウトドア派の方にとっては超穴場なスポットです。
海水浴場ではキャンプも可能。ビーチは小石混じりの砂地で砂利の中には石も埋もれておりペグは効きません。所々に大きめの石が落ちているので、それらにロープを結ぶなどできます。
白野海水浴場全景。海水浴場の入口側( 写真左側)には東の方向に木々の生い茂る急斜面になっているので、午前中の日陰や西向きの風の風除けになります。どこからエントリーしてもシュノーケリングが楽しめる、バラエティーに富んだロケーションです。訪れている海水浴客はほぼ100%シュノーケルをしていて、バーベキューを楽しみながらゆっくりとくつろぐグループも多いです。
西側のビーチはサンゴと熱帯魚に出会える美しい海
南向きなので夏は太平洋の波が高くなります。白野海水浴場は潮岬と通夜島、岩礁と陸地で四方を囲まれているので、国道42号線をアクセスしている時に波が高いと思っても、ここは比較的穏やかです。それでいて海水の通り道がいっぱいあるので、海も濁ることなく、太平洋そのものの美しさを保っています。
夏の水温は約25℃ととても暖かい串本の海。海に入っても冷たいと感じることなく、気持ちよくエントリーできます。抜群の透明度を誇る瑠璃色の海はカラフルな魚にあふれており、シュノーケリングの絶好のスポットです。南向きなので多少波がでることもありますが、海は緩やかに深くなるので、ちょうどいい感じで海の中でフィンを装着できます。
マスクをつけて海をのぞくと、素晴らしい透明度。少し沖に向けて泳ぐだけでさっそく魚の姿を見つけることができます。
白野海水浴場は、小さな石が転がる地形で所々大きな岩があり、魚の住処としては絶好の場所です。地形も足が届く場所は少ないですが基本は遠浅。急に深くなる場所は無く、広い範囲でシュノーケリングで魚を探せる水深が広がっています。ついついあちらこちら泳いでしまうので、意外に体力を使います。
小規模ながらもテーブルサンゴも所々に見られます。串本はラムサール条約で世界最北のサンゴの群生地として認定されており、本州でシュノーケリングだけで気軽にテーブルサンゴを見られるのはまさに串本ならではの楽しみです。
暫く海を泳いでいると、突然目の前に宝石のように美しい大きな魚が現れました。「 アオブダイ」です。大きなものは体長90cmにもなる、沿岸で見られる魚としては大型なものです。何より海の中で宝石のように輝くその姿は幸せの青い鳥(魚)のようです。
高知の柏島や兵庫の竹野浜でよくシュノーケリングをしていますが、これだけの派手な大物は初めてです。突然の激レアキャラとの遭遇にテンションが上がります。
しかもアオブダイは2匹もいます。テンション上がります!磯釣りでは一般的に外道とされる魚だそうですが、シュノーケリングでは大歓迎です。
アオブダイはゆっくりと泳ぐのでフィンがあればストーキングできます。潜って近づこうとするとすぐに距離をとられますが、少しの間海面からストーキングしていると警戒心が少なくなるのか、かなり近くまでよっても離れなくなります。時々岩に身体をすり付けるので潜らなくても横顔が見らることが出来ました。
テーブルサンゴの上をゆっくりと泳ぐアオブダイはまさに南国の風景。大阪からわずか3時間で沖縄にも匹敵する海を楽しめる、串本の魅力を存分に感じました。
青い海の中で揺らめく光を浴びて煌めくアオブダイは宝石そのもの。とても美しいですが、まるで鳥のようなくちばしは人間の指を噛みちぎるほどの強力なものです。海の中で人間がアオブダイに触ることはまず不可能ですが、気をつけましょう。また、特定のイソギンチャクを好んで食べる個体は毒を内臓に持っているそうです。美しいものにはやはりトゲがあります。
海から振り返る白野海水浴場のビーチ。とにかく海がきれいで瑠璃色の宝石の上にいるようです。ここまで泳いできても水深は3mほどで、少し潜ればサンゴの付近にいる魚と一緒に泳げます。
所々に大きな岩があり、その上に乗れば背が立つ箇所もあります。ちょっとした小休憩もできますが、波があるとすぐに岩の上から落とされてしまいます。
魚の数は多くありませんが、比較的大き目な魚が目につきます。シュノーケリングする人間は脅威と思っていないのか、海面から見ているだけでは逃げない魚たちが多くいました。
海水浴場南側の海はさらにワイルドで多い魚影
砂州とつながった岩山付近から白野海水浴場を振り返ります。岩山付近の岸辺は大きな岩が多く、波が立ちますのでこの付近で遊ぶのは難しそうです。内湾入口付近で波が立っていても、海水浴場付近は波が穏やかになっているのがわかります。
岩山の下、海岸にある小さな岩場を乗り越えると、砂州とつながる前の岩山のもうひとつの浜辺があり、まさにプライベートビーチとっいた様相です。太平洋の大海原と内湾を区切るように、通夜島と岩礁が防波堤のように守ってくれています。波が高いと海底がかき回されて少し濁っているところもあります。
通夜島との間には岩礁があり、夏の南風が運ぶ太平洋の波を防いでくれています。高い波があっても内湾ではかなり穏やかになります。しかし通夜島と岩礁の間は波が高いとうねりのように海面が押しあがって岩場に打ち寄せているので近づかないようにしましょう。なお、岩礁右側と通夜島の間は漁船の航路となっているので遊泳は禁止になっています。
沖に近い海の中も地形的には大きな違いは無く色々な魚を見ることが出来ます。サンゴの上ではタカノハダイがのんびりとくつろいでいます。ゆっくりと潜水して近づくと、面倒臭そうに逃げていきました。
外洋に近いほど、比較的大きめの魚の姿を見ることができました。波で攪拌されていて少し透明度が落ちていてわかりにくいですが、アオブダイの姿も5匹確認できました。
眼の前をゆっくりと細長い形をしたアオヤガラが泳いでいます。シュノーケリングのレアキャラです。
小さなサイズですかウツボがいました。襲ってくることはありませんし、海底まで距離があるので誤って手を出してしまうこともないので安心です。それどもやはり大きな口を開けてこちらをこちらを見られると、ちょっとドキッとします。
本州のシュノーケリングでこれだけ立派なテーブルサンゴの群体が見られるのは串本ならでは。串本の緯度では本来サンゴは育たないそうですが、黒潮が運んでくる温かい海水で南国の海の風景がつくりだされています。ラムサール条約で認められた世界で最も北にあるサンゴの海で、大阪や名古屋といった大都市圏からも比較的すぐに遊びに行ける南の海です。
サンゴの上ではたくさんのルリスズメダイが泳いでいます。小さな宝石ルリスズメダイは近づいてもほとんど逃げず、群れの中を楽しく泳ぐことができます。
タカノハダイやチョウチョウウオなど、シュノーケリングでおなじみの魚がいっぱい。魚との出会いを求めるシュノーケラーにとっては最高のポイントです。
東側の入江は穏やかな磯遊びスポット
海水浴場の東側には入江があり、西側のビーチとはまた違う海を楽しめます。とにかく波が穏やかで泳ぎやすいですが、水の循環は少ないので透明度はやや落ちます。海藻が多く、魚も地味で小さなものですが、小さな子供が遊ぶにはもってこいのエリアです。
入江は岩に囲まれていてとても静か。万一波が高い日でもここなら泳げそうで、まさに天然のプールのようです。子どもたちが岩から飛び込んだり、岩場でヤドカリを探したりと楽しく遊べるスポットです。それでも足が立たない深さですので注意しましょう。
入江の出口付近は透明度がさらに上がりますが、波が高いうえ岩も多くて遊ぶには少し危険。近づかなければ流されてしまうことはまず無いので、泳いでいて波を感じたらそれ以上は進まないようにしましょう。
入江の岸に近い付近をシュノーケリング。穏やかで温度が高いこともあり、海藻やコケが多く透明度はやや劣ります。それでもとても綺麗な海。魚の姿は西側のビーチに比べるとかなり少なく地味な種類しか見かけなませんでしたが、もう少し入江の入口に近くなれば透明度もあがり南国系の魚もいるかもしれません。
白野海水浴場の施設と駐車場
海水浴場の北側は漁港となっており、「しょらさん渡船」と「須江ダイビングセンター」があります。「しょらさん渡船」で駐車料金を支払ってトイレやシャワーなどの施設を利用させていただきます。白野海水浴場はダイビングセンターがビーチエントリーのダイビングもしており、気軽に美しい海の中を楽しめるスポットになっています。
白野海水浴場の駐車場は約30台で漁港の脇に停められるようになっています。白線内の駐車スペースがいっぱいになっても、堤防や路肩にまだ停められるスペースはあります(有料)
白野海水浴場のある大島ですが、立派な大島大橋で串本とつながっていて、自家用車があれば簡単にアクセスできます。島の中は迷路のような細い道を通りますが、しょらさん渡船の看板が目印になっています。離合できるポイントも所々にあるので、対向車に気をつけて運転しましょう。
係留されている漁船。漁港の中も透明度の高い海水が湛えられていて、まるで船が宙に浮いている、まであと一歩くらいの透明度があります。
堤防から海水浴場を覗くと海の透明度がよくわかります。テトラポットでは美しい魚が泳いでおり、まるで宝石のような海です。
海水浴の基地になるのが駐車場奥にあるしょらさん渡船。海の家はありませんが自販機はあります。トイレ、シャワーなどの最低限の施設のみですが、不都合なく利用することができます。
シャワー室の前にはテーブルベンチがいくつかあります。ここに係の人が詰めているのてシャワーを利用する時に料金を支払います。駐車料金とテント・タープの使用料金などは車を停めると係の人が来てくれるので支払います。
漁港を見下ろす場所にあるしょらさん渡船にはベンチとベンチテーブルがいくつかあります。1箇所目洗いと足洗の水道も設置されています。シャワー室の横にも水道が1箇所ありました。
シャワーは大人200円。小学生以下100円。駐在している係の人にお金を払って利用します。5分の時間制限がありますが、屋外に温水シャワーが3つあるだけで時間はあくまでも目安です。屋外シャワーの奥には小屋があり、中にロッカーとベンチがあり、更衣室として利用できます。ロッカーは錆びていて、着替えの際の一時保管程度の利用です。
ログハウスのようなトイレ。男女別で和式ながらもきれいで気持ちよく利用できます。洗面の水道は2箇所あります。
■串本のオススメの温泉宿
白野海水浴場
場所:和歌山県東牟婁郡串本町須江白野港
電話:0735-65-0006 (和歌山東漁協須江支所)
交通:紀勢自動車道・すさみ南ICより約45分
那智勝浦新宮道路・市屋ランプより約45分
料金:持込料金/テント2000円、タープ1000円、ホップアップテント500円
シャワー料金(温水)/大人200円、子供100円
時間:9:00~17:00
駐車場:約30台(1回1000円)
付帯施設:トイレ、洗面所、温水シャワー、自販機
【投稿時最終訪問 2023年7月】