石鎚ふれあいの里のケビン【満開の桜の下でアウトドア】

桜が咲く頃、そろそろアウトドアを再開したくなる。桜に包まれてキャンプやコテージを気軽に楽しめ、しかもリーズナブル。里山や清流の風景が美しい場所が愛媛県の「石鎚ふれあいの里」だ。
石鎚ふれあいの里は西日本最高峰・石鎚山登山の基地、石鎚登山ロープウェイに向かう途中の県道沿いにある。県道を走っていると、向こう岸にいくつものバンガローが見えてきたら、それが「石鎚ふれあいの里」だ。少し先に進んだ所に赤い橋がかかっているので、それを車で渡る。まるで時間が止まったかのような集落を抜けると、石鎚ふれあいの里に到着だ。

石鎚山山麓の自然と里山に囲まれたアウトドアの基地

石鎚ふれあいの里のケビン。2~ 4人用、4~ 6人用、6~10人用が各2棟、7~ 8人用が1棟ある。斜面にあって、階段を上がる必要があるのがネックだが、その分見晴らしが良い。ケビンの料金は以前は相当な激安だったが、数年前に大幅な値上げがされてしまった。それでも一般的な価格に比べると比較的リーズナブルに利用ができる。駐車場はケビンのすぐ下にあるので、頑張って荷物を運びあげる。

右の大きな建物が管理棟。ここで受付する。スタッフが常駐しているので、とても安心。ログコテージ風の建物で1階は食堂と売店になっている。奥には、後ほど紹介するが、バーベキュー棟やキャンプ場などがある。

ケビンの前には、石鎚山に源を発する清流・加茂川が流れている。清々しい春の緑の香りをマイナスイオンの清流が運んで来てくれる。車から降りると、その気持ちよさに思わず深呼吸。自然の香りに、炭を焼くような里山の香りがブレンドされ、どこか懐かしい日本の香りを感じる。

家族でゆっくり泊まれる4~6人用ケビン

宿泊した4~6人用のコテージ。入口の前がベランダになっている。広くはないので、ここにテーブルを出すのは2人での利用が限界。それに床の溝が広いので、そんなに使い勝手は良くない。

コテージの内部。2階建の高さがあり、吹き抜けになっていて開放感はある。冬場はこたつがセットされていて、とてもありがたい。壁一面のクローゼットがあり、布団が収納されているが、自分たちの荷物も仕舞えるので便利。室内の照明は十分だが、テレビなどの備え付けはなし。ストーブはあるが、冷房は無い。

玄関横にはキッチンがある。ガスコンロとひとり暮らし用の冷蔵庫が備え付けられている。お湯は出ない。調理道具と食材を持ち込めば、本格的な料理も作る事が出来る。洗剤とスポンジの備え付けがあり、キッチンと洗面所には手拭きタオルが用意されているのがありがたい。

寝室には2段ベッドが2つあり、6人で利用する時はリビングのクローゼットの布団を追加で利用する。布団は綺麗で、クリーニングしたシーツも用意されているので快適。ベッドの枕元の壁には、個別の照明が用意されていて、まるで寝台列車のよう。

洗面所。湯は出ないシンプルなものだが、鏡とタオルがある。石鹸の備え付けは無し。

浴室。ユニットバスだがとてもきれい。湯を張って入るのにも抵抗はない。窓から外の大自然の空気が入るのも良い。石鹸しかないので、各自でシャンプーなど用意したい。

トイレ。清潔な水洗トイレ。便器は温座機能付き。

食器や調理器具も一部あるが、あまりアテにしない方がいい。ナベ、ヤカン、フライパンはあるが、菜箸や箸などはなく、食器もプラスチック製で数が足りないものもある。炊飯器、ホットプレート、電子レンジなどは無い。

コテージで料理を作るなら、食材と調理道具と食器は持ってきた方が良いだろう。万が一コテージの備品で足りない事があれば、管理棟の横の炊事室を料金を払って使うという手もあるのだろうが・・・
ちなみにごみは全て持ち帰り。ゴミを密封して持って帰る準備をしておいた方が良い。

2~4人用バンガローは小さな子連れで泊まるのに便利

2~4人用のバンガローの内部。2段ベッドがひとつあり、3人以上で泊まる場合は布団を床に敷くようになっている。クーラーはないが、ストーブとコタツがあるので、冬でも安心。ケビンはこのひと部屋だけだが、十分な広さがあり、布団を2枚敷いてもコタツの位置は動かさなくても大丈夫。天井は高く、開放感もあり気持ちが良い。平成2年に建てられたログハウスのようだが、古さはさほど感じない。綺麗に使われているので、施設の痛みは少なく、十分快適なステイを楽しめる。

キッチン。ガスコンロ2口と水道(湯は出ない)、冷蔵庫(冷凍部分はわずか)がある。ナベ、ヤカン、フライパン、食器、包丁、食器用洗剤は備え付けられている。ただしポット、炊飯器、レンジなどの電化製品は一切ない。こだわりの食事を楽しみたいのなら、道具や食器は持ってきた方が良い。コンセントはあるので、持ち込みの電化製品は使用可能。トイレとキッチンにはタオルが備え付けられていて便利。ゴミは完全持ち帰りなので、ゴミ袋は持参が必要。

ユニットバス。普通にシティホテルにあるようなユニットバスがあり、快適。お湯も出る。石鹸はあるが、シャンプー・リンスはないので持参が必要。

広いテラスとコテージ入口。ウッドデッキからは西日本最高峰の石鎚山から流れ出した清流・賀茂川の透き通った流れと静かな山里の風景が眺められる。賀茂川はエメラルドグリーンの川底が見えるくらい澄んでいて、夏は水遊びが楽しめる。夜にこのテラスに出れば、川のせせらぎと蛙の鳴き声や虫の音。谷間に響くその大合唱はどこか懐かしく、言うなれば日本の田舎の音。とても心地よく思える。
ただ、ウッドデッキの床の隙間が広いので、やや使い勝手は悪い。

石鎚ふれあいの里の標高は160mほど。付近は高い山にも囲まれているので桜の見頃は平地より1週間ほど遅い。おおよそ4月の5~10日くらいが桜の見ごろになる。

桜が咲いたとはいえ、朝はまだ寒い。ストーブをつけて、コタツにもぐりこんでの朝食。豆を挽いて、コーヒーを入れる。サンドイッチを手作りして、まだ寒い山里の朝の光を楽しみながら、家族団らん。
このバンガローにはテレビは無い。テレビが無ければ、話をするか、ご飯を食べるか、寝るか。のんびりとした時間のように思えるが、朝10時にチェックアウトしようと思うと、やはりどこか慌ただしい。

バンガローの窓から見える山里。大きな桜の木が多く、寒い朝は室内からプチ花見。
この日は天気がよく気温も上がるとの予報。やはり花見は温かく、晴れでなくては気持ちよくない。サンドイッチを多めに作って、昼のお弁当も確保した。チェックアウトした後は、廃校の校庭で、のんびりと花見としゃれ込むつもりだ。

廃校跡を利用した懐かしい日本の里山

石鎚ふれあいの里にはバーベキュースペースがある。使用料金を払えば、ここでバーベキューや自炊を楽しめる。日帰りでの利用も可能。石釜もあり、焼きたてのピザも食べられる。

管理棟の1階は食堂になっていて、食事も可能。営業時間は10~15時。

給食調理室跡を利用した自炊室。家庭科室のような調理台が備え付けられていて、独特の雰囲気。1人100円で利用可能。

スタッフによる多くのイベントが催されているのも石鎚ふれあいの里の特徴。この日もコンニャク芋を茹でたり、野菜を干したりしていた。また、バーベキューに使う炭をスタッフ自ら釜で炭焼きをして作っている。まるで、ひと昔前の里山が再現されたような場所。炭焼きや焚火の香りが、どこか懐かしさを思い出させてくれる。

この石鎚ふれあいの里は廃校になった学校を利用して作られた施設。石鎚山の山麓の山間には以前は小規模な集落がたくさんあったが、今は廃村になっている所が多い。今もなお、当時の面影を残す木造校舎や体育館があり、田舎に帰ってきたような気持にさせてくれる。

校舎の中。ノスタルジックで郷愁の雰囲気が漂う。

教室は畳敷きにされ、簡易宿泊施設になっている。20人用が2室、10人用が2室ある。1泊1人1170円(大人)で利用できる。

囲炉裏部屋がフリースペースとして開放されている。憩いの場所、団らんの場所として最適。

春には一面の桜に包まれての宿泊

学校の跡地なので、桜が多いと思っていたが、やはり見事な桜が多かった。特に管理棟前の桜の大木は見事。大自然の中、美しく咲く桜の巨木は見事。

大きな桜の木は夜にはライトアップされている。期せず美しい夜桜を楽しめる。大自然の中、川のせせらぎと森の香りを楽しみながらの貸切夜桜はこの上なく贅沢。桜の木の下のベンチに腰をおろして見上げる、暗闇に花を開ける桜。その幻想的な雰囲気にビール片手に日本の美に酔いしれる。

校庭を利用したキャンプ場は遊びの宝庫!

校庭がそのまま残されている。いくつかの遊具もあり、子供が遊ぶにはもってこいの場所。ここでキャンプも可能で、大人300円、子供150円の料金で利用できる。今回はアウトドアデビューということでバンガローに泊まったが、次はここでキャンプするのもよさそうだ。

校庭は開放感にあふれ、自然に包まれていてとても気持ちがいい。目の前には加茂川の清流が流れる。夏場などは川遊びもできるので、子連れにはもってこいの場所だ。

施設の一番奥にはプールがそのまま残されている。桜の花びらが舞い落ちるプールの中では、オタマジャクシが悠々と泳いでいた。間もなくすると、カエルの大合唱が谷間に響くことだろう。

夏には清流で川遊びもう楽しめる!

石鎚ふれあいの里の前を流れる加茂川の清流。霊峰・石鎚山から流れ出す水は透き通っていて、とても美しい。エメラルドグリーンの宝石のような水の中には魚影もある。在りし日には、授業が終わった子供たちがここで泳いでいたのだろう。

階段のようになった護岸から川に降りる事が出来る。場所によっては、流れも緩やかで、まるでプールのようになった場所もある。「川遊びデビュー」にはもってこいの場所かもしれない。

リーズナブルに快適な滞在を楽しめ、子供を連れた自然遊びもいっぱい楽しめるとても素敵な施設だった。経験豊かなスタッフも常駐していて、アウトドアの基地としても十分すぎる場所だ。

石鎚ふれあいの里

住所: 愛媛県西条市中奥1-25-1
電話: 0897-59-0203
時間: 宿泊施設/イン16時、アウト10時
休業日: 無休(年末年始をのぞく)
駐車場: 約30台
料金:
 【ケビン】
    2人用 通常期  4,400円 繁忙期  5,400円 
    4人用 通常期  8,800円 繁忙期 10,800円
    6人用 通常期 13,200円 繁忙期 16,200円
    7人用 通常期 15,400円 繁忙期 18,900円

   【キャンプ】
     大人1人 300円
     小・中学生1人 150円

   ※繁忙期は4月27日~5月6日、7月20日~8月31日

【投稿時最終訪問 2011年4月】

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