内子の桜とひな祭り【美しい日本の春】

愛媛県内子町。護国・八日市の町並みには、かつては木蝋の生産で巨万の富をなした商家が軒を連なる美しい日本の町並みが残る。江戸時代末期から大正時代にかけて栄えた町並みは桜の季節には旧暦でお雛様が町中至るところで飾られ、凝縮された日本の春の美しさが楽しめる。
内子へのアクセスはJRなら駅前、車でも護国・八日市の町並みに観光駐車場があるので便利。10分程歩いても構わないのなら「道の駅フレッシュパークからり」の利用をオススメしたい。桜をはじめとする春の花がたくさんあり、内子の美味しい特産品が楽しめる道の駅で、内子の春を満喫できる場所のひとつだ。
まずは道の駅「フレッシュパークからり」のお花見から内子の桜めぐりをスタート。「からり」は今ではよくある農産物の直売所の先がけで、その成功モデルでもある場所。特産品販売所を先駆けてIT化するなどして大きな成功を収めたことで有名。「道の駅」となっているが、野菜の購入を目的地に訪れる人の方が圧倒的に多い。まず良質で安い野菜を買いみ車に収納したら、美味しいベーカリーショップのパンを買って、屋外のベンチでお花見。また、内子町の産物をふんだんに使った美味しいレストラン、ハンバーガーショップ、アイスクリーム店も人気。訪れる人が連休中は多く、駐車場に入る車で渋滞必須なので早めに訪れたい。

花見にオススメの内子の道の駅「フレッシュパークからり」

からりの駐車場の北側には見事な春のコラボを感じさせてくれる一角がある。桜を前に、菜の花や梅が鮮やかな色彩を描き出す。桜の花が咲いていることすら忘れさるくらい、その色は鮮やかで鮮烈。美しく花の後ろには山の水を集めた川が流れており、美しい春の山里の風景を堪能できる。

からりの横には美しい小田川が流れており、その清流のほとりには柳が青く色づき、春を感じさせてくれる。清流の河川敷には降りることができるので、こかでからりのパンやお弁当を頂くのも気持ちが良い。

からりから小田川にかかるつり橋を渡ると、そこは河川敷公園になっている。知清公園には一面の桜が植えられており、多くの人がお花見に訪れている。河川敷でお弁当を食べたり、バーベキューをしたりして、春の訪れを桜の下で楽しんでいる。

少し遠回りでも立ち寄りたい郷之谷川の枝下桜の並木道

河川敷から内子町役場内子支所に向かう。内子支所の横に流れる郷之谷川は美しい枝垂れ桜の並木道。通常見頃は3月20日頃。ソメイヨシノの満開の時期に行くと遅いのだが、1本だけ巨大な単体がソメイヨシノと花期を合わせてくれている。

桜咲く内子の古い町並みの散策 

枝垂れ桜の並木道を通り過ぎたら、内子の町中に入って行く。所々に咲く桜が古い町並みに映えてとても美しい。

寺の山門を包み込むかのように咲き誇る桜。歴史を感じる山門に桜。日本の美を感じずにはいられない風景。内子は、江戸後期から明治時代にかけて、木蝋の生産で栄えた町。その当時の面影を残す町並みが今も多く残っており、昔の美しい佇まいを見つけられる場所。町をあげて町並み保存に取り組んでおり、和の美しさを伝える風景に桜が良く似合う。

昔の町並みが続く静かな町中には桜が満開。音もなくざわめく桜に、春の躍動を感じる。

町中にはからくり時計が設置されており、軽快な音楽で時報を奏でる。桜が咲き誇る小さな公園の中にあり、ここでお花見を楽しむ人も多い。東屋・トイレもあり、地元の親子連れが、東屋で楽しくお弁当を食べながらお花見をしている。

和の美しさを感じる八日市・護国の町並み 

「八日市・護国の町並み」は内子の町並み観光のメインストリート。江戸末期、明治時代の商業地で、漆喰壁・なまこ壁が特徴の、昔の面影をそのまま残す町並み。今も普通に生活が営まれており、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。

散策のハイライトとなる「八日市護国の町並み」には約600mの通りに白漆喰、なまこ壁といった伝統的な民家が立ち並ぶ。土産屋、飲食店、民芸品やアートを売るお店や、公開されている豪商の大邸宅がある。しかし馬篭や妻籠のような有名な観光地ではないので、とても静かな場所。歴史的な建物のそのほとんどが、昔からここで生活を営む人々の民家。今も昔のままの姿で続く人々の暮らしのある風景は、昔のありのままの日本を垣間見たような気になる。

八日市・護国の町並みの一体には当時の豪商であった芳賀家の邸宅が鎮座する。明治22年に建てられた「本芳賀邸」や、その分家で明治27年に建てられた「上芳賀邸」の建物は国の重要文化財にされている。上芳賀邸は木蝋資料館として内部を見学する事ができる。当時の木蝋の製造過程だけでなく、豪商の暮らしぶりやその立派な屋敷の内部は一見の価値がある。

旧暦で町中に飾られるお雛様と桜の美しいコラボ

内子では旧暦でお雛様を飾っている。桜の時期に訪れると、民家や商店の軒先に飾られたお雛様を数多くみられる。桜とひな人形。古い町並みで見られる日本の美には、日本人に生まれた事を思わず誇りに思いたくなる。
町中にあるレトロな外観の「内子町旧図書館」には毎年座敷雛が飾られる。「座敷雛」とは、内子町の2つとなり、八幡浜市の真穴地区に伝わるひな祭り行事。長女の初節句を、このように立派な庭園を作ってひな人形を飾り、盛大にお祝する行事だ。自宅を開放して、訪れる人に見てもらうのだが、当然のことながらその年によって行う家庭と軒数はちがってくる。しかも真穴地区は八幡浜の中でもなかなか行くのが大変な場所にある。その分、この内子町はアクセスも楽で、期間中いつでも見れるので、手軽にその雰囲気を楽しむ事ができる。ちなみに本家の座敷雛は、毎年4月2日・3日の2日間だけしか見ることができない。
毎年毎年、ここでも飾り付けを変えて、座敷雛を飾っている。その年の飾り付けはどのようになっているか、内子を訪れる楽しみのひとつになっている。

この年はいっぱいの花に囲まれたお雛様。まるで菊人形のようにも思えてとても美しい。今年の完成度は高く、見事だった。桜をはじめとして多くの花に彩られる旧暦のひな祭りは、春の美しさが日本の美をさらに素晴らしいものにしてくれる。

内子町は春になると、商店の軒先や、場合によっては一般民家の玄関や一室に、そとから見えるように立派なお雛さまが飾られている。町並みと桜とひな人形。春の陽気がつなげる日本の心には、日本人であることを誇りにさえ思わせてくれる。しかも、道行く人に見えるように飾られ、お店のショーウインドウや、時には道に面した民家の部屋の窓や玄関を開け放して飾られている。春の内子の散策は、日本人の心の中に眠る何かを強烈に呼び覚ます、日本の美しい風景に出会える。

お雛様が飾られている内子のお店や博物館は見応えたっぷり

「商いと暮らしの博物館」にも、小さな座敷雛が飾られている。小さな庭園の箱庭に所狭しと飾られるお内裏様とお雛様。三人官女に五人囃子。それにお道具。この空間の中には日本の美が詰まっていて、その空間が置かれているのも、日本の美を感じる伝統的な家屋だ。商店街を行くと、このほかにも小さなお雛様や、明治や大正時代の歴史あるお雛さまがお店の一角に飾られている。

「商いと暮らしの博物館」の内部。江戸時代築の建物の中に、大正時代当時の薬屋とその暮らしを人形を使い再現されている。実際にこの建物は薬屋として使われており、建物だけでなく、当時の貴重な民具や商売道具も展示されている。まさにタイムスリップしたような、日本の近代化黎明期の美しい風がここにある。

内子観光の中心となる、「八日市・護国の町並」のゆっくり登っていく坂には、浅黄色と白漆喰で塗りごめられた重厚な外壁となまこ壁が特徴の、歴史ある建物が立ち並ぶ。この内子は明治時代に木蝋生産とても栄えた場所で、立派な町並みが今も残り、町をあげて保存されいる。この町が栄えた当時の和蝋燭を扱うお店は1軒だけだが、今は和のテイストを巧みに取り入れたアートや食品を扱うお店も多い。普通にここでは生活が行われており、軒先でみかんなどの無人販売をしている家もある。また、この静かで歴史あるたたずまいに、1日1組限定で泊まれる宿などもある。平成の世に、古の歴史を感じる風がまだ、ここには吹いている。

内子の古い町並みには、人ひとりがやっと通れるような細い裏路地もいっぱい残る。まるで違う時代に誘おうとするような通路。ここにも古い日本が凝縮されて残っている。
細い通路の先には美しい桜。幽玄・幻想・神秘・・・様々な雰囲気が閉じ込められたような細い通路という空間にあふれている。
美しく保たれた和の歴史感じる景観の中に咲く桜は、日本人の心の故郷。そして桜咲く4月のはじめにお雛さまが飾られる内子の風景は日本の美しさを強烈に感じられる場所だった。

美しい和の滞在を楽しむ内子の宿

内子の街並みの中、歴史ある商家での宿泊

温泉も楽しめる和のオーベルジュ

【内子周辺の宿・ホテル一覧】

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