妙義神社【美しい社殿と神秘的な石段】

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上信越自動車道で東京方面から軽井沢へ登る手前、上毛三山の一つである妙義山の東麓に鎮座し、妙義山信仰の中心となっている神社が「妙義神社」です。妙義山を構成する山のひとつ、白雲山を御神体とした荘厳な神社で、525年の創建と1500年の歴史ある神社です。江戸時代に造られた一直線に伸びる神秘的な階段と、日光東照宮の彫刻士が彫ったとされる豪華絢爛な装飾の社殿が美しい山岳信仰の聖地です。

背後に聳える妙義山が神々しい妙技神社

妙技神社の参道入口には巨大な大鳥居が建ち、そこから妙義山に向かって一直線に参道が伸びています。鳥居から南に100mほどのところにある「道の駅みょうぎ」が妙義神社、妙義山登山の駐車場にもなっています。

妙義山は、耶馬渓・寒霞渓と並んで日本三奇勝、赤城山・榛名山に並んで上毛三山の一つに数えられる奇岩怪石が林立する山で白雲山・金洞山・金鶏山・相馬岳・御岳・丁須ノ頭・谷急山などを合わせた総称です。多くのピークを持ちますが、最高峰は標高1103mの相馬岳で、かつては修験道として多くの修験者が険しい山に望みました。

大鳥居をくぐると見上げるようにして迫る険しい山容を望む形になり、その姿には神々しさや荘厳な雰囲気を感じることができます。山腹には妙義神社の奥の院付近の崖の上に建てられた巨大な「大」の字が見えます。

鳥居をくぐり参道の一番奥、石段の手前にも駐車場があります。5~6台駐車可能で、1回100円で駐車可能です。車で進める参道は急な坂ながらもさほど距離はありませんのが、100円という駐車料金は良心的なので、利用するのもよいでしょう。

有料駐車場から先は車が入れない参道となっています。ここから本社まで長い登りとなります。気合を入れて登っていきましょう。

立派な石垣や灯篭が美しい神秘的な境内

境内の入口には色鮮やかな赤に染まる立派な総門があります。門の両脇には仁王像が祭られているその姿は神社というよりまるでお寺です。かつてはお寺の仁王門で、神仏習合の名残を伺い知れます。

総門をくぐってまず驚くのが高くそびえる立派な石垣。石と石の間がぴったりと合わさった、まるで一枚岩のように頭上に聳えるその姿には圧倒されます。江戸時代に築かれた石垣だそうですが、その精巧な造りには感心してしまいます。

石垣の上にある社は「波己曽社」(はこそしゃ)で、1656年に建造されたと推定されるかつての旧本社です。今も本社に劣らない威厳のある社なので、ぜひ参拝しましょう。

妙義山を背後にして立派な銅の灯篭と銅鳥居が立つ参道はとても神々しい雰囲気が漂います。

妙義山の中腹に巨大な白い大の字があります。険しい岩肌の上に立つ大の字は妙義神社の参道からも望むことができ、このすぐ近くに妙義神社の奥の院があります。妙義神社から約50分の登山でたどり着くことができます。

鳥居の左側に立つ樹齢500年の3本の杉はとても神々しく感じます。三本杉が作り出す三角形の空間に置かれた石からは、頭上にそびえる本殿を遥拝することができるパワースポットです。

一直線に本社まで続く石段登りはまさに修行

鳥居を超えると本社がその姿を現しますが、そこにたどり着くのは165段もある石階段。一直線にはるか先まで伸びる石段には神秘的な雰囲気を感じると同時に、ここを登るための修行の覚悟を決めないといけません。しかもこの階段は江戸時代に造られたままの姿を残しているそうで、ひとつひとつの段がとても狭く、靴の裏が収まるかどうかくらいの幅しかありません。

本殿へ一直線に登る石段は気を許せば派手に転落する危険な道です。しっかりと登れる健脚者は構いませんが、自信がない方は右側に遠回りになりますが、緩やかで足元もしっかりしている女坂へ迂回しましょう。また、健脚の方も転落の危険性が高まる帰路は女坂を降りるほうが良いでしょう。

江戸時代に造られた石段には歴史と風情を感じますが、手すりもなく、石段の幅もとても狭く、歪んでいる場所もあります。とても急で危ない場所なので、慎重にゆっくりと登ります。一歩一歩足元に気をつけて登ることで無心となり、まさに修行をしているかのような気持ちになれます。

無心で階段を登り続けると本社が見えてきました。山の上に重厚な石垣の上に鎮座する社殿はとても神々しく感じます。

ついに階段を無事登りきりました。登ってきた参拝者を温かく迎え入れるかのように、朱色がとても美しい随神門が石段の上に鎮座しています

登ってきた石段を振り返ります。自らの足で登ってきた高さ感じられ、自分で自分を少し誉めたくもなります。眼下に広がる下界の風景と、まるでその下界まで一直線に続いていそうな参道がらとても神秘的です。

日光東照宮を思わせる美しく神々しい妙技神社本社

威厳ある随神門の中をくぐるとついに本社の神域です。

随神門をくぐると目の前に現れるのはまた立派な石垣。総門の背後にあった石垣ほど高さはありませんが、緻密に隙間無く積まれた石垣とその上にずらりと建てられた朱色の屋根を設えた塀がとても神々しく感じます。

本社の前にある唐門から振り返ると、先ほど本社を見上げたパワースポットの三本杉を見下ろします。かつては何かの建物があったらしい石垣だけが残り緑に飲まれている場所が、木々が道を開けたかのように一直線に三本杉まで空間ができており、不思議な風景を造り出しています。三本杉の大木の横にはかつての本社であった波己曾神社も見えます。

本社の前にはもうひとつの門、唐門があります。今までの朱色はもちろん、黒や金箔、そして美しい装飾で埋め尽くされた唐破風の銅茸平入りの門で、1756年の建造とされる歴史と威厳ある本社を守護する門です。

唐門をくぐると、そこには目を奪われるほどの美しさの本社が鎮座しています。本社は本殿、幣殿、拝殿の3つの建物からなる権現造りで1756年の建造と歴史ある社殿。真正面に鎮座しているのは拝殿です。御祭神は 日本武尊、豊受大神、菅原道真公、権大納言長親卿の4柱です。日本武尊(ヤマトタケル)は東国遠征をおこなった有名な古代皇族。豊受大神(トヨウケノオオカミ)は伊勢神宮下宮に祀られる衣住食、産業の神様。菅原道真は学問の神様。権大納言長親卿は南北朝時代の有力な公卿です。開運、商売繁盛、火防、学業、縁結、農耕桑蚕の神として古くより信仰されています。

本社は宝暦6年(1756年)の建造。本殿・幣殿・拝殿からなっていて壮麗な権現造りです。目を引くのは美しく輝く煌びやかな装飾と彫刻。金箔はもちろん、そのほかにも極楽色と呼ばれる鮮やかな色使いと黒い壁は神々しさがひときわ映える美しいもので、目を奪われます。そして訪れたことがある方なら気づきますが、日光の東照宮の装飾ととても良く似ています。実はこれらの彫刻は日光東照宮の彫刻師が招かれて彫られたと伝えられており、日本を代表する優美な彫刻であるといえます。

拝殿の横に回り込みます。金色の龍、極楽色の彫刻がずらりと続く美しい社殿。歩いていてもその雅な装飾に目を奪われ続けます。

本殿を取り囲むように朱色の透壁が続いています。 塀に沿ってぐるりと一周して、その美しい姿を余すこと無く観賞させていただきます。

本社の後ろには小さな社があって、そこには天狗が祀られています。妙義山には天狗が住むと言い伝えられており、山岳信仰の山らしい祠です。境内でも最も妙義山に近いこの祠から山に住む神々に向かって願い事をすると、一つだけ叶えてくれるという心願成就にご利益があります。

美しい唐門から見下ろす下界は美しい風景

本社の参拝を終えて下山しようと唐門をくぐろうとした瞬間、はっと息を飲みます。美しい唐門の向こうに見えるら下界の風景がとても幻想的すぎるのです。

金箔を美しい装飾として纏った黒い門の向こうに広がるのは絶景。美しい扉の向こうにはパワースポットの三本杉の姿と下界に広がる町並みを望むことができ、神々しい額縁に収まった神秘的な絵画を鑑賞しているかのよう。その額縁に入り込んでその世界に向かいます。

唐門をくぐったら、石段に続く随神門をくぐらずに迂回路である女坂に向かいます。坂に入る前には「水神社」があります。山から流れ出した清冽な水に祠があります。神々が住まう山、妙義山から流れ出した水はとても冷たくて美しく、まさに神の水といえます。

女坂の下山口には妙義山登山口もあります。先ほどの「大の字」を経て奥の院、白雲山を目指すルートがここから出発します。大の字までは50分、中級者ルートとなっており、まるで神の世界と俗世を分ける結界のように注連縄が張られています。妙義山は修験者の山としてそのほとんどがとても危険なルート。装備と経験のない人は決して立ち入れない場所です。ここに登山者カードポストもあるので、入山する方は必ず届を出しましょう。

妙義神社

場所: 群馬県富岡市妙義町妙義6
電話: 0274-73-2119
営業時間: 9:00~17:00
休業日: 無休
料金: 無料
交通: 上信越自動車道・松井田妙義ICより約5分
駐車場: 89台 (無料・道の駅みょうぎ)

【投稿時最終訪問 2019年9月】

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