澤乃井園清流ガーデンと寒山寺【紅葉と日本酒】

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東京の紅葉の名所のひとつ、青梅市の御岳渓谷。多摩川上流にあたり、JR青梅線沿いに御嶽駅を中心に約4kmの「御岳渓谷遊歩道」が整備されています。
遊歩道の最下流、軍畑(いくさばたけ)駅からスタートし、その途中にある見学酒蔵施設が「澤乃井園」
酒蔵見学はもちろん、きき酒や美味しい名物を頂ける「清流ガーデン」は人気の飲食スポット。酒蔵のできたて日本酒を飲み、美味しいものをつまみ、紅葉を愛で、そして渓流の音と時々響く鐘の音を聞きながらゆっくりできるこの場所は、まさに日本が凝縮された場所。1kmちょっとしか歩かずの大休止になりますが、ここでお酒を飲むことを大目的にして歩きたいくらいの素晴らしい場所なのです。

蔵本のお酒やこだわりの料理が頂ける澤乃井園

澤乃井園は、多摩川のほとりに広がる酒蔵やレストラン、レストランが並ぶ施設。紅葉が美しい渓流沿いの庭園では、老舗酒蔵のお酒や美味しい名物を楽しむことができます。
また、園内にある料亭「ままごと屋」は、素朴でやさしい豆腐・ゆば料理が大人気。澤乃井の仕込水を使った自慢の一品を味わいながら季節の移ろいを感じられると人気のお店です。

澤乃井園の施設に囲まれた清流ガーデン。紅葉が美しい日本庭園の中に、いくつものテーブル席や東屋が設けられています。紅葉の季節の週末でもオープンしたばかりの朝早くならまだまだ空いています。少しお腹を空かせて早めに立ち寄りたいですね。

ままごと屋の車道側には「豆らく」というお店があります。「 澤乃井 」 と 「 ままごと屋のお豆腐 ・湯葉」が気軽にお召し上がれる食事処。ままごと屋が料亭的に対して、豆らくはレストランといった立ち位置です。

澤乃井園は御岳渓谷遊歩道の途中にあります。JR御嶽駅を中心に、多摩川の両岸約4kmにわたり整備されている遊歩道です。軍畑駅から出発すると御嶽駅までのちょうど中間地点付近が澤乃井園となり、一息つくのにもってこいの場所です。しかも酒蔵のお酒や美味しいものを渓谷美を眺めながら頂けるので、立ち寄らない手はありません。また、遊歩道を通って御岳美術館、玉堂美術館、櫛かんざし美術館にも訪れられ、沢井駅にも近いので、多様なコースで自然や文化を楽しめます

澤乃井園の目の前には多摩川が渓流となって流れており、一面が紅葉に彩られています。対岸に向けて立派な吊り橋が架かっており、向こう岸に渡れるようになっています。
残念ながら訪れた日は記録的な大雨の後だったため、水は普段より濁っています。

楓橋で御岳渓谷を渡って寒山寺を参拝

澤乃井園から多摩川には「楓橋」という吊り橋が架かっています。橋を渡って、空中から紅葉の御岳渓谷を眺められる上に、この先にある「寒山寺」へもお参りすることができます。

楓橋の上から眺めらる多摩川の上流方向。川の流れに沿って御岳渓谷遊歩道が続いています。都内のJR沿線とは思えないくらいに豊かな自然が残った風景です。

澤乃井園の対岸の山の上にひっそりとたたずむ寒山寺。渓谷美の中にその姿はひときわ神々しく感じます。
寒山寺は昭和5年に創建されたお寺。中国にある寒山寺より譲り受けた釈迦如来像を安置するために小澤酒蔵が土地を提供し、今も丁寧に管理をしているそうです。

楓橋を渡った所に鐘堂があります。澤乃井園にいると聞こえる鐘の音はここから。参拝した人は誰でも鐘をつくことができます。紅葉に染まった渓谷に響かせる鐘の音は、とても心に染み渡る日本の美です。

鐘つき堂から長い階段を登ると寒山寺の本堂。小さな本堂しかないお寺ですが、とても厳かな建物です。中には釈迦如来像が安置されていますが、無宗派で住職もおらず、檀家もないお寺だそうです。

寒山寺から見下ろす多摩川と楓橋。付近では最も高い場所から渓谷を見下ろせる展望スポットです。
参拝を終えたら清流ガーデンに戻って、美味しい日本酒を頂くことにします。

酒蔵見学やゆっくりと利き酒が楽しめる小澤酒造

澤乃井園はこの地で酒蔵を営む小澤酒蔵が昭和42年に開設した老舗の観光酒蔵施設。東京に10軒ある伝統的な酒造会社のひとつです。
園内には飲食店の他、売店やきき酒処もあります。

地下通路の先に小澤酒蔵の酒蔵があります。見学には事前予約が必要で1日4回、約45分の見学会が実施されています。
この日は御岳渓谷ハイキングの途中にふらりと立ち寄ったので、残念ながら酒蔵見学は叶いませんでした。

かつてこの付近は澤井村と呼ばれており、山から水が豊かな沢となって流れ出していることから、そう呼ばれていたそうです。その地名より澤乃井と命名したそうです。
園内には日本酒の仕込みに使う水が引かれており、飲むことができます。岩盤を掘り抜いた洞窟の奥から湧き出る仕込水は透明で冷たく、一口飲むと水本来の美味しさを感じられます。

きき酒処はまるでレストラン。酒造会社だけあって、自慢のお酒はきき酒とはいえ、広々としたテーブル席でゆっくりと味わってくださいという心配りでしょう。
きき酒処には澤乃井園内で購入した飲食物でも持ち込みができません。本気でお酒と向き合う場所なのです。

きき酒とはお酒の色、香り、味を評価すること。お猪口で少しずつ色々な種類のお酒を注文できるので、お酒好きにはたまりません。しかもお猪口を続けて使えば、おかわり価格として100円引きになります。
まずは「しぼりたて」(200円)をいただきました。新酒ならではのフレッシュな香りで、あっさりしていてとても飲みやすい一杯です。色々なお酒を美味しく飲めるのはもちろん、自分好みの銘柄を探すこともでるのも楽しみです。

壁一面の窓から紅葉に彩られた渓谷を一望できるきき酒処。窓際の席に座ると、ゆったりとしたテーブル席で、紅葉を愛でながら美味しいお酒を楽しめます。これは贅沢の極み。きき酒処の中でおつまみも販売していますので、ここでのんびりと紅葉を眺めながら一杯ができます。

5勺(90ml)の澤乃井オリジナルのお猪口で利き酒をいただきます。このおちょこは家に持ち帰れますので、旅の思い出にもなります。さらにはこの澤乃井のお猪口をもって後日再訪すれば、1杯目から100円引きのおかわり価格できき酒を頂けます。
お猪口持帰り用のビニール袋もつけてくれますので、持帰りにも便利です。

紅葉の下で頂く日本酒と美味しい料理

清流ガーデンでは売店がいくつかあり、軽食や手作りまんじゅう、お酒のおつまみはもちろん、澤乃井のお酒の生原酒タンク量り売りやままごと屋の豆腐などが販売されており、庭園内のテーブルで美味しくいただけます。
美しい紅葉をと渓谷のせせらぎ、そして時折響く寒山時の鐘の音が日本の秋の美を演出してくれています。

澤乃井園はハイキングの休憩所ではなく、飲食施設です。そのため、お弁当や飲み物の持ち込みは不可です。テーブル席では園内の売店でオーダーした食べ物やお酒などをいただきます。

売店でもつ煮(500円)ときき酒のおかわりをオーダーして庭園の席に着きます。時折鐘の音が響く渓谷で、紅葉を眺めながら飲む日本酒はとにかくうまい!日本人で良かったと思える時間です。
頂いたお酒は大吟醸(300円、おかわり200円)
辛味があり、澄んだ口当たりはゆっくり時間をかけて仕込んだ酒の芸術品と言えます。

澤乃井園から上流の御嶽駅までは御岳渓谷遊歩道を歩いて約1.5km。御岳渓谷でも特に紅葉が美しい区間。道は整備されており危険な場所もないので、ほろ酔いでも美しい紅葉ハイキングが楽しめます。

澤乃井園 清流ガーデン

住所: 東京都青梅市沢井2-770
電話: 0428-78-8210
営業時間: 10:00~17:00
休業日: 月曜日(祝日の場合は火曜日)、年末年始
交通: JR青梅線沢井駅から徒歩5分
駐車場: 50台(無料)

【投稿時最終訪問 2019年11月】

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