大山子連れスノーシュー

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山陰地方唯一の日本百名山である鳥取県「大山」

標高1729mながらも、日本海から一気に立ち上がる地形が手伝ってアルペン的な風貌をした山です。降雪量がとても多いため、冬には本格的な雪山が楽しめる場所です。独立峰である大山は広い裾野を持っており、ここがウインタースポーツの一種、スノーシューを楽しむのにもってこいの場所なのです。

大山寺駐車場が雪遊びの出発点

大山の雪遊びの起点は、大山のスキー場の駐車場。ここからは日本海と中海、美保関といった美しい風景を一望することができます。大山で冬山登山や雪遊びをするには車でのアプローチが便利。スキー場の駐車場を使いますが、休日はスキー客で朝10時には満車になります。その場合、3kmほど離れた槙原駐車場に車を停め、シャトルバスでのアクセスになるので早めに到着するようにしましょう。

スキー場付近の車道は除雪されていますが、大山寺へ向かう参道は雪が残っています。大山寺や大神山神社への参拝、元谷経由で大山に登るにはこの道を行きます。スノーシューを装着して出発できるのもポイントが高いです。

大山でのスノーシューは何回もしていますが、今回は小学生低学年の娘も初スノーシューです。そのため、今回のスノーシューのコースは超初級の「大神山神社」参拝です。娘にはこの日のためにAtlasの子供用スノーシューをプレゼント。モンベルのアウトレットで、旧モデル女の子カラーがなぜか4000円台で売っていたので、即ゲットしました。道行く登山者にも子供用のスノーシューは珍しいのか注目されています。娘は帰りに滑ると、ソリを引いて登ります。

日本海を背に登る参道はとても気持ちが良いです。付近には門前町のように歴史を感じる建物が並んでおり、近年、日帰り温泉やアウトドアブランド「モンベル」が運営する「大山参道市場」がオープンし、賑わいも出てきました。

真っ白な雪の大山寺

しばらく進むと除雪すらされていない道で車も入れなくなり、その先に大山寺の山門が待ち構えています。スノーシューなら踏み跡もないふかふかの雪の上を楽しく歩いていきます。

大山寺の山門大山寺に到着しました。雪に閉ざされた階段を登って大山寺を参拝し、その奥の道を進むと、大神山神社の参道に合流します。

雪に覆われた大神山神社参道へ

大山寺への入口すぐ横には、目指す大神山神社へ続く参道の入口もあります。まだ娘がスノーシューに慣れていない事もあるので、緩やかな大神山神社の参道を行くことにします。

大神山神社の参道は、自然石を使った石畳の参道としては日本一の長さを誇ります。雪が積もってその姿が隠されても、神々しい雰囲気は失わず、さらに神秘さを感じる雪道となっています。

雪に完全に覆われた道を進んで行きます。石畳の脇には山の水が流れる水路があるので、雪を踏み抜かないように注意します。地面が完全に隠れ、スノーシューを満喫するにはスキー場「大山ホワイトリゾート」の積雪量情報で、60センチは最低でも欲しいところです(写真は75センチの積雪情報)

積雪が1mを越えれば、相当に面白いコースを進むことができます。

灯篭の上に積もった雪が、その深さを物語っています。雪の上には動物が歩いた足跡が森の奥へと続ています。スノーシューなら誰も入らない雪の森へとザクザク入って行けます。本来スノーシューは夏には入れない森の中を散策できるのが楽しみのひとつ。この付近の森の地形はある程度把握しているので入りたかったのですが、ソリを引きずった娘がいるので、次回の楽しみにしました。

参道は進むにつれて、登りも少しずつきつくなってきます。大きな鳥居をくぐり、標高を上げて森の奥へと進みます。ふかふかの雪がとても気持ちよく感じます。

この日は山陰地方としては珍しい冬の快晴。気温が上がると、巨木の上に積もった雪が豪快な音をたてて爆弾のように落ちてきます。当たってもけがはしませんが、まあまあ痛いです。というか、かなりびっくりさせられます。

雪に閉ざされた大神山神社奥宮に到着

雪が珍しい娘は雪で遊びながら行くので、大人だけで行く時間の2~3倍かかって、やっと大神山神社の神門に到着です。

雪に包まれた歴史ある神門はとても神秘的。この奥には大神山神社奥宮の社殿が鎮座しています。

大神山神社の神門は、通常外側に開く扉が内側に開くので、逆さ門ともいわれています。神域への入口はとても神々しく、逆さの門に向かい入れられるかのようにして中に進みます。

山門をくぐった途端、神がこちらを見たかのように、ドサドサっと雪が輝きながら目の前に落ちて来ました。なんとも美しい眺めですが、ここに来るまでに何度か直撃を受けているので、正直どきっとします。ひと昔前のテレビ番組で、懺悔の神様にXを出された瞬間のようです。

神門の先には大神山神社奥宮の本殿が鎮座しています。真っ白な雪と青空を従えた歴史ある社殿はとても神々しく見えます。

最後に雪に覆われて急坂と化した階段を登ります。スノーシューだとふかふかの雪の上を歩いたほうが気持ちが良いです。娘もやっと着いたと、ひいひい言いながら登ります。・・・本当ならここから本格的な雪遊びの出発点なんですけどね(笑)

スノーシューを脱ぎ、大神山神社を参拝します。かつて大山に登っているときに、妻から娘を授かったと連絡を受けたので、登山途中にこの大神山神社で安産の祈願をしました。その後初めて娘を連れて参拝に来たのでここで感謝のご報告です。

両翼50mにも達する巨大な権現づくりの社殿は圧倒的。大神山神社はかつては大山寺と一体で多数の僧兵をかかえた一大宗教都市でした。そのため神仏混交の様式が至る所に見ることができます。参道にも雪に埋もれていくつかのお地蔵さまが見守ってくれていました。

社殿の前からは大山の姿を巨木の間に垣間見ることができます。夏山登山道とこの先の元谷を経由する行者谷コース合流する5合目少し上から森林限界を越えており、ここからでも豆粒のように登山者の姿が見えます。

さあ、ここからは駐車場へ下ります。ここもソリで滑れますが、さすがに娘は怖いと辞退。お父さんはスノーシューで一気に雪の積もった斜面を走り降りるダウンヒル!これがとても気持ちいいいいのです。スノーシューは雪の上を歩く道具ですが、雪の斜面を駆け降りたり、多少の段差を飛び降りたりする遊びもできるのです。

「そんなんでけへん・・・」斜面を駆け降りた父親を見ながら、娘はとぼとぼと持ってきたソリを引きながら下山します。娘に聞くと、スノーシューのゴールにはスキー場のようなゲレンデがあり、滑って遊べると思っていたそうです。

ゲレンデはありませんが、帰りは危なくないところで、ソリで滑りながら帰ります。ちょうど手ごろな坂道があったので、そこで大人は休憩がてら、娘は何度も滑って遊びます。

絶対に立ち寄りたい絶景の「金門」

大神山神社に来たなら忘れずに立ち寄りたい場所が「金門」参道から道標に沿って少し雪道に入ると、金門があります。大山の水を集めた元谷から流れ出す佐陀川の流れが一ヶ所に集まり、ぐいっと向きを変える場所。大山の気が集まるとされるパワースポットでもありますが、筆舌すべきは景色の素晴らしさです。目の前にいきなり景色が開け、大山がその姿を現すと、「おお~」と思わず声を上げてしまいます。

今まで深い森に遮られ、近くにいながらなかなか姿を拝めなかった大山が、金門から一望できます。アルペンムード満点の大山北壁を見ていると、まるで外国の高い山に来たみたいに思えます。

日本海から吹き付ける強い北風が、快晴の大山の稜線に猛烈な地吹雪を巻き上げているのがここからでもはっきりとわかります。そんな中、小さな点になっている登山者はさぞハードな世界に挑んでいることでしょう。そんな厳しい冬の世界を眺めながら、ここで親子で雪だるまをつくってほっこりします。

美しい大山の眺めを終えたら下山。駐車場に戻ると予想以上に時間が過ぎていました。やっぱり子連れの登山は時間を倍近くかかります。とはいえ、最高の青空に恵まれて最高のスノーシューデビューとなりました。

冬の大山はスノーシュー天国


さて、スノシューをしたいが装備が持っていないというときにオススメなのが、モンベル。大山の駐車場近くにモンベル大山店があり、事前予約をしておけば、ここでスノーシューをレンタルできます。10時からの営業ですが、山麓をのんびり楽しむなら問題のない時間です。
また、大神山神社以外で本格的にスノーシューがしたい時には山麓にある「大山森の国」のスノーシューツアーへの参加がオススメです。初心者コースから絶叫コースまでそろえた多彩なスノーシュープランの中から参加者のレベルにあった場所に連れて行ってくれます。途中に雪上ランチなども雪遊びの楽しさを満喫させてくれます。

大山の観光と宿泊情報

【周辺の宿泊情報】
大山の宿泊の選択肢はいろいろあります。
まず、大山山麓にはリゾートホテルやペンションが多くあります。 森の香りを感じる大自然の中でゆっくりと滞在できます。
また、車で20分走った場所にある「皆生温泉」は海沿いに旅館が建ち並ぶ山陰屈指の温泉地。 美味しい海鮮はもちろん、海を眺めながら入れる温泉が自慢の宿がずらりと並んでいます。

【じゃらん】皆生温泉・大山のホテル・宿一覧

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