青い池【美瑛の新しい人気観光スポット】

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パッチワークの丘の風景で人気の観光地、北海道・美瑛。そんな美瑛の丘から見える十勝岳に向かい畑が広がる丘から深い森の中を車を走らせと、立ち枯れが林立する神秘的な青い色をした池がある。

この美しい「青い池」はその名の通り、青い鏡面を思わせる、とても美しい池。
近年できた美瑛の新しい観光の目玉。かつてここは工事中とクレー射撃場に隣接する理由から、入る事すら許されない場所だった。しかし、2008年に周辺整備され、解放され、近年多くの観光客が訪れるようになった。こんな秘境を思わせる池を、幼い子供を連れて訪れられるのなら、僕が行かないわけがない。時刻はもうすぐ夕方。日の光が射し込まなくなる前に急ぎ青い池に向かう。 JR美瑛駅から一直線に十勝岳へと向かう道道966号線、通称「白金街道」を車で走る。のどかな北海道らしい牧場風景を越え、おおよそ日本とは思えない針葉樹林を一直線に走り抜ける気持ち良い道のドライブ。白金温泉近く、「青い池」の看板が出されているので入口は見落とすことはない。

駐車場からは整備された道で原生林の中を行く

写真ではいかにも秘境の雰囲気満点だが、付近は十分に整備されている。6~70台は停められる砂利の駐車場には、レンタカーが平日にも関わらずいっぱい。トイレや売店、自販機は一切ない。駐車場の奥からは林道が続き、ここを行くと青い池に向かう。距離にして約500m、歩けば10分ほど。
普通の砂利道なので、小さな子供も安心して歩ける。ただ、ヒールやベビーカーではきつそうだ。
さて、昼下がりのドライブ途中爆睡してしまった娘。車に置いて行くわけにもいかず、一眼レフと一緒に肩に担いで青い池に向かう。普通なら大した距離ではないのに、何と長く感じた事か。ふと見ると、同じように気絶した子供を抱えて歩くパパの姿もちらほらと。世のお父さんは、このようにして子供と一緒に成長していくのだと、無性に自分と見知らぬパパをほめたたえたくなる。

立ち枯れが林立する神秘的な青い池 

2歳の子供と一眼レフを担いで歩く事約10分。林道の脇に遊歩道のようなものがあり、そこに下りてみる。深い森に包まれた遊歩道の向こう側には、この苦行を乗り切るための原動力だった景色が待っていた。
「おお~」思わず歓声を上げてしまった、まるで絵葉書のような風景。美しい。これが「青い池」だ。
ここで選手交代。僕は写真を撮るために、今度はママに娘を預ける。が、ここで娘がぱちんと起きる。そして何もなかったように、付近で遊び始める。何の苦労もなく、いきなりこの風景にたどり着いた美味しいどころ取りの娘にはちょっと苦笑い。
さっそく池と娘の激写開始。今回の北海道旅行でどうしても行きたかった場所。好天にも恵まれ、良き撮影の時間を楽しむ。
湖畔は子供も問題なく歩ける遊歩道になっている。池の縁には柵も作られているが、小さな子供なら柵のない場所や隙間から誤って池に転落する可能性がある。うろちょろする2歳児からは撮影しながらも目が離せない。

立ち枯れの木が幾重にも重なりながら突き刺さる青い水。そして、恐ろしい程静かな水面はまるで鏡。現実世界とは別の青い世界を足元に広げている。大自然が作り出した、人間などには真似できない、雄大で美しすぎるアート。その美しさは、訪れた人すべてを虜にしている。いや、唯一虜にされなかったのはわが娘。風景には全く無関心で、落ち葉や石など、どこにでもあるものに夢中だ。2年という人生経験では、まだまだこんなに神秘的な池以外でも新鮮なものはいっぱいあるのだろう。

水の青さは夕方ということもあり、やや控えめ。しかし、その青さよりも際立ったのが、水鏡というにふさわしい、美しすぎる水面。まるで磨き上げられたかのような水面は鏡というよりも、この世界と空虚の世界の境界線。あるはずのない世界をまるでそこにあるように見せる、まさに魔法。
ここには水が存在するのか。どこからが鏡像なのか。どちらが上でどちらが下か。水面をじっと見つめていると、突然今自分がどの世界にいるのかわからなくなる。そんな不思議に吸い込まれていきそうだ。
写真のうち1枚、上と下が逆にするというイタズラを僕がしても、誰も気づかないかもしれない。

鏡面のような青い水面が神々しい

青い池は自然の作り出した神秘的な秘境というイメージがある。だが、実は青い池は人工的に作り出されたものだ。
当然、こんなアートな風景を作り出すために、わざわざ北海道の原野に大規模な工事をしたわけではない。この日は雲の中に隠れているが、本来なら森の上に十勝岳の雄大な風景を見る事ができる。十勝岳は活火山で今も活動しており、噴火の際は、美瑛の町に大きな被害をもたらすことも想定されている。そのため、火山泥流をためる施設として、コンクリートブロックによる堰堤を平成元年に完成させた。その堰堤に水が溜まり、この青い池が誕生した。

青く見えるのは、近くの白金温泉で湧出する鉱物を含んだ地下水が池に流れ込み、コロイドという成分が水中に生成され、太陽の光を錯乱させるからという説が有力。カナダの氷河湖が恐ろしい程青く見えるのと理屈は同じだ。

青い池には遊歩道が思った以上長くついている。ゆっくり池を歩きながら、お気に入りのアングルを探す。しかし、やはり池に写った、青い色をした逆さま向きのもう一つの世界がとても気に入った。1歩池へと足を踏み出せば、青空へと落ちていきそうだ。

やがて遊歩道は林道と合流する。合流した林道を少しだけ奥に進むと、やがて森は開け、ゴウゴウという川の流れる音が聞こえてくる。ここが青い池の行き止まり。コンクリートの堰堤だ。この青い池を作り出した人工物。青い池のはじまりの場所でもあり、おわりの場所でもある。

十勝岳に源を発する美瑛川の流れ。防災のため、幾重にも堰堤が組まれている。この川も青さを含みながら、大きな音を立ててゆっくりと美瑛に向けて原生林の中を流れ落ちていく。

上流にどんとそびえる十勝岳。活火山の山にはいく筋もの流れの跡が刻まれている。もしもの時に備えた、コンクリートの堰堤の幾重ものバリアが物々しい。

最後に鏡像の世界に挨拶をして、青い池を後にする。堰堤の付近はやや流れが確認できるので、蜃気楼を思わせる風景というよりも、まるでパステル画のように思え、また違った趣。
さて、せっかくここまで来たのだから、十勝岳の姿を間近で見たい。急ぎ来た道を戻る。帰りは自分の足で歩いてね。そう娘に言ったものの、急ぐ道中に方々で道草を食うのにはたまらない。結局帰り道も、一眼レフと娘を抱えて、えっちらほっちらと車に戻る。
さあ、次は夕日に照らされた十勝岳の麓に飛び込みに行こう。

美瑛・富良野の宿泊情報

美瑛と隣接する富良野にはプチホテル・ペンションをはじめリゾートホテルが多くあります。 美しい丘をはじめとする北海道らしい風景の中にあり、美瑛や富良野の特産物を使った美味しい食事が自慢のホテルも多数。また、青い池付近には白金温泉があり、美瑛に滞在しながらも温泉宿に泊まれる贅沢も。
このエリアには見どころが多いので、ぜひ宿泊してゆっくり美しい風景を満喫したいですね。

【じゃらん】美瑛・富良野のホテル

青い池

場所: 北海道上川郡美瑛町白金
電話: 0166-94-3025
交通: JR美瑛駅より車で約25分
料金: 無料
駐車場: 約60台(無料)

【投稿時最終訪問 2011年9月】

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