ニングルテラス【富良野・森の中のショッピングモール】

美瑛の丘めぐりを終え、宿をとっている富良野に戻ってきた。2歳の娘もお疲れだが、本日の宿である「富良野プリンスホテル」に戻る前にどうしても行きたい場所があった。娘には付き合ってもらって向かったのは「新」富良野プリンスホテル。

宿泊しないホテルに夜に向かったのは、敷地内にある「ニングルテラス」に行くためだ。「ニングルテラス」は、「北の国から」で有名な倉本聰氏がプロデュースしたショッピングロード。森の中にいくつものログハウスが立ち並び、ウッドデッキの通路でそれらの店がつながれている。
夜は美しくライトアップされていて、幻想的な風景になる。そのため、わざわざ夜にこの場所に訪れた。

北海道の光を吸い込む真っ暗な森の中も、温かい光に包まれて明るく、それでいて幻想的。お疲れだった娘も、「きいろ~、きれい~」と光の散歩道を楽しく歩いている。しっかりとウッドデッキが組まれていて子供でも歩きやすく、足元もきちんと照らされているので危なくはない。夜の北海道の森の中を気軽に散策できるスポットでもある。残念ながら、階段が所々にあり、スロープは作られていないのでバリアフリーではない。

イルミネーションに彩られたログハウス、ウッドデッキ、そして深い森。人の手と自然が見事に融合している場所に思える。お店の中をのぞき、散策をしているだけだが、それがとても楽しい時間。

時は変わって昼。翌日にもニングルテラスを訪れた。昨晩とは違い、幻想的な風景は、森に包まれて落ち着いた、心地の良い空間になっている。昼間は森の香り、水の流れを感じながらの心地よい散策が楽しめる。同じ場所なのに、昼と夜ではまったく表情が違う、何度も訪れたくなる森である。

ログコテージが立つ森の中には小さな流れがある。緑の中を流れる小川のせせらぎはとても心地が良い。小川の横には、木を組み上げた「ニングル」の家がある。ニングルとは、倉本聰氏の小説に登場する15㎝くらいの小さな妖精のことで、アイヌ語で小さな人を意味する。そんなニングルたちの住処が森の中にある。「覗かないでね」と立札があるが、当然覗いてもニングルがいるわけではなくて・・・それでも、なんだか本当に、そこに住んでいるような感じになる。そんなおとぎ話の中に迷い込んだ雰囲気が、この森にはある。

森の中を散策していると、やはり休憩してお茶を飲みたくなる。∞の形をしたニングルテラスの中央部分には「チュチュの家」という、他の店より大きいログコテージがある。ここで、セルフスタイルのカフェを楽しめる。
人気のオリジナルメニューは「焼きミルク」500円。焦げ目の入った、冷たいミルクは聞いただけでも不思議。どんな味がとても気になったが、今回は中には入らず。ニングルテラスのもうひとつの名所であるカフェ「森の時計」でコーヒーを飲みたかったので、ここはガマン。「森の時計」は倉本聰氏の「優しい時間」で使われたロケセットのカフェがそのままのスタイルで営業をしている。

森の中に渡されたウッドデッキの通路。その通路に沿うように、ログコテージの店が点在している。
ログコテージの店では、手作りのアート作品やクラフトを多く扱っている。既存の大量生産のお土産ではなく、温かみのある作品ばかり。ここで自分の旅の思い出や、大切な人へのプレゼントを探してみるのもよい。

ニングルテラスのお店 (2011.9現在)

・紙々の森 (ペーパークラフト)
・ふくろうの家 (木工品)
・ガラスの家 (ガラス細工)
・ペーパーワークの家 (和紙アート)
・おと屋 (木工楽器)
・小さな家の家 (クラフト作品)
・森のろうそく屋 (オリジナルキャンドル)
・森の楽団 (「富良野塾」の店)
・森のドラマ館 (倉本聰氏のドラマグッズ販売)
・雪の結晶 (シルバーアクセサリー)
・森の革工房 (皮革クラフト)
・万華鏡の家 (万華鏡)
・オルゴールの森 (ウッディなオルゴール)
・雑木林の家 (木工クラフト)
・森の鍛冶屋 (金属アクセサリー・クラフト)

15もある個性的な店の中で、ずば抜けた知名度と人気を誇るのがこの「森のろうそく屋」ドラマ「北の国から」で、竹下景子演じる「雪子おばさん」が働いている店として実名で登場している。そのため、多くの人が必ずと言っていいほど、この店をのぞいていく。店の中には、「雪子おばさんは、本日はお休みです」と立札が出ている。この立札、かかっていない日に訪れてみたいなぁ・・・

もちろんロケ地になっただけではなく、その魅力的な商品でこの「森のろうそく屋」は人気。我が家のお土産として、この切株を模したキャンドルを購入した。火を灯すと、幻想的に切株が輝き、揺らめく。中のキャンドルを交換すれば、何度も使える優れものだ。こんな魅惑の商品が、この店には目白押しだった。

店内や展示中の商品の撮影は、このニングルテラスでは禁止されている。今回はこの商品を購入したので、お店の方の許可を得て、火がつている状態の物を撮影させて頂いた。

ニングルテラスの一番奥には石のテラスがある。巨大なキノコのオブジェが飾られていて、まるで自分がニングルになったように、小人気分が満喫できる。このテラスの奥には階段が続いていて、3分ほど歩けば「森の時計」へと向かうことができる。
ちょっと散策するだけのつもりが、そのロケーションの良さや個性的なお店の多さに魅せられて、随分長い時間を過ごしてしまった。リラックスしてしまい、ついついお財布のひもも・・・しかし、ここで求めたお土産は今は我が家のリビングの癒しとなり、子供のお気に入りのおもちゃになっている。
心地よい散策とここにしかない一品。富良野に訪れたのならば、このニングルテラスにはぜひ立ち寄りたい。
何よりも、新富良野プリンスホテルには「おいしいオムカレー」や「風のガーデン」などのほかの見どころも満載。丸1日、ここでは楽しむことができる。

【富良野のホテル一覧】

ニングルテラス

住所: 北海道富良野市中御料(新富良野プリンスホテル内)
電話: 0167-22-1111
営業時間: 12:00~20:45 (7・8月は 9:00~21:00)
休業日: 無し(店舗により異なる)
交通: JR富良野駅から車で約10分
駐車場: 270台(無料)

【投稿時最終訪問 2011年9月】

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