酒肴 ぼんてん 【すすきの穴場海鮮居酒屋】
様々なお店が並び、ネオンが眩しい北海道を代表する繁華街、すすきの。美味しいもの天国の北海道にあって、どれもこれも美味しいお店に見えるので、どこで夕食をとろうかと悩みます。そんな時、取引先の方が懇意にする海鮮の美味しい穴場な居酒屋が有るとのことなので、連れていって頂きました。
すすきののど真ん中!ディープでレトロなスポット
すすきののど真ん中にある「すすきの市場」。眩しく、またいかがわしいネオンを灯す雑居ビルがあふれるすすきのに、古くさい巨大な公営団地が鎮座します。5階建ての長さ100mのその団地は「すすきのアパート」という昭和33年に建築された札幌でも最も古い公営住宅です。その地下に、「すすきのゼロ番地」と呼ばれる地下街があります。訪れたのは、まだ雪がちらつく冬の3月。雪から逃れられる地下街は冬の札幌ではありがたい限りです。
ゼロ番地の看板がかかった古びた入口から地下に降ります。その名前からして観光名所だろうと思っていると・・・すいません間違えました、と普通なら後戻りしたくなるような、狭く寂しい地下通路。思った以上にディープなスポットです。
古びた薄暗い地下通路ですが、飲み屋や、スナックは結構営業しています。その中でも比較的安心して入れそうな店構えの居酒屋が、今回目指す「ぼんてん」です。
これぞ北の酒場!元老舗の人気女将が切り盛りするお店
ぼんてんは店内はカウンターで6席と、2人がけテーブルひとつの小さな飲み屋。思わず「北の~酒場通りには~♪」と歌いたくなるくらい、これこそ北海道の居酒屋という雰囲気。観光客がここにたどり着くのは至難の技でしょう。常連の方が多いですが、それでも時々ひとり旅や出張の人がふらりと入ってくることも多いとのことです。
まずは、お通し。北海道らしく、ビールはやっぱりサッポロですね!しかもサッポロラガーの瓶ビールです。
三升づけを乗せた豆腐。ぼんてんの女将さんは老舗の炉端焼店に長く勤務していましたが、惜しまれながらその炉端焼店を退職。その後に独立してこのお店を開業されたそうです。とても、気さくな方で、色々と話が進みます。目の前で次々に料理をされていく女将さんの手際の良さも見事です。
北海道の美味しさを凝縮した料理は酒と会話が進む!
やっぱり海鮮といえば、刺身盛り合わせ!どれも新鮮で、プリプリで脂がしっかりのっていて美味しいのです。牡蠣、タコなど一部の海鮮の仕入れには独自のルートを女将さんは持っているそうです。その他海鮮は市場にて仕入れ。そして野菜はなんとデパートでお買い物されているそうです。北海道ならデパートでも安い野菜が手にはいり、しかも品質はお墨付きだそうです。やっぱり北海道の居酒屋、すごいです。
そして、やっぱり北海道にといえばホッケです。炭火で焼くとなんとも香ばしい香りが立ち上ります。驚いたことに地下のお店でも炭火焼きです。女将さんがお店のオープンにあたり、前職の大将から必ず炉端は置くようにアドバイスされていたとのこと。やっぱり炭火で炙った魚の美味しさは半端ありません。確かに北海道の飲食店では、炭火を使うお店が多いと感じます。
脂がしっかりのった美味しそうなホッケが炭火で焼き上がりました。口に含むと濃厚な脂と柔らかい白身が絶妙のバランスで口のなかでほどけ、炭火の香ばしさも広がる絶品です。本州の居酒屋で食べるホッケとは比べ物にならないほど美味しいです。
美味しく頂いた後に残ったホッケの骨は、再び女将さんがパリパリになるまで焼いて、骨せんべいにしてくれます。これは本当にもう、絶品!噛むとパリパリッという心地よい食感に続き、うまい脂が口のなかに溢れだします。ビールでも日本酒でもどちらにも合います。
「女将さん、例のやつある?」「あるよ」そう言って取引先の方がオーダーして女将さんが出てきたのは牡蠣。しかも、大きい!なんと、女将さんの人脈で、厚岸・仙法志の漁師から直接取り寄せた自慢の逸品なのです。ぼんてんでは牡蠣は必須です。
まずは巨大な牡蠣を生ガキで頂きます。調味料はいりません。そのまま食べます。口のなかでとろける牡蠣の身。まるで海を食べているような濃厚な味。臭みも何もなく、美味しい。北海道万歳!!
続いて焼き牡蠣で。何もつけずにそのまま一口。プリプリの身から熱々の汁が溢れだします。香ばしい海の香りが口のなかにいっぱいに広がります。本当に美味しいです。
「いかごろ」というイカのわたの発酵食品。熱燗にとにかくあいます。北の寒い冬に北の美味しい海産物がずらりと出てくると、熱燗がとにかく進みます。オヤジふたりでかなりの数の徳利を空にしました。こんなに日本酒を飲んだのは久々ですし、こんなに日本酒を飲みたくなる居酒屋は初めてです。
宗八カレイの飯寿司(いずし)爽やかな味わいでお口直しには持ってこいです。
コマイという魚を焼いて、マヨネーズで頂きます。コマイは北海道でよく水揚げされる冬が旬の魚。加工食品に主に使われるそうですが、小さい頃はおやつとしてよく食べたという取引先の方。美味しかったですが、正直酔いがかなり回ってどんな風に美味しかったかまでは覚えていません。
美味しい酒と美味しい料理、そして女将さんとの会話、旅先の居酒屋を満喫しました。そして取引先の方とも色々とお話が進み、関係もとても良好に。旅人として、ビジネスマンとして、とても充実した飲みでした。最後はふらふらと千鳥足で、雪解けがすすんだ札幌の町をホテルまで満たされた気分で歩いて帰りました。まだ寒い夜の札幌ですが、とても暖かい気分でいられました。
札幌の観光と宿泊情報
札幌市内にはたくさんの見どころがあります。また、札幌ラーメンや新鮮な海鮮など、北海道ならではのお店が目白押しです。札幌市内ではシティホテルに宿泊がオススメ。夕食はすすきのの美味しいお店に訪問して、藻岩山展望台からの夜景など、夜の札幌ライフを楽しむのも旅の醍醐味です。
酒肴 ぼんてん
住所: 北海道札幌市中央区南六条西4丁目 すすきのゼロ番地B1
電話: 011-562-5679
時間: 17:30〜23:30
定休日: 日・祝日
席数: 8席
アクセス: 市営地下鉄すすきの駅より徒歩3分
駐車場: なし
【投稿時最終訪問 2018年3月】